「植田ショック」後、市場との対話は?自民党総裁選と利上げの行方
日テレNEWS NNN
――ここからは日本銀行の植田総裁の記者会見について、経済部の宮島(香澄)解説委員とお伝えします。たった今植田総裁の記者会見が終わりました。どんな内容でしたか? 【動画】日銀・植田総裁が会見 政策金利を0.25%程度に据え置き 20日は非常に慎重な印象を持ちました。声の力が、前回よりなかったという印象を持ちましたし、体調大丈夫かなという気までしてしまいました。 前回、7月利上げに踏み切って、その後、円高と株安が大きく進み「植田ショック」と言われるような状況になりました。 それもあってか、今回は非常に慎重な物言いをしていると感じました。
■植田総裁会見のポイント
――それでは会見のポイント、お願いします 20日の会見の中身です。 まず、金融政策は、政策金利を据え置き、現状維持です。市場の動向や経済・物価への影響を十分注視すると声明文に書かれました。会見で総裁は「高い緊張感を持って見る」と言いました。それから、為替の変動が過去に比べて物価に影響を及ぼしやすくなっていると。 以前、為替の変動を日銀はあまり考えてないんではないかと批判を受けたこともありまして、日銀もちゃんと見ていきますよということです。「日本経済のいまの状況は見通し通り推移している」「この見通しが実現していけば、金利は引き上げていく」という、これまで通りの姿勢は示しました。 ただ、皆が気にしてるのは金利の引き上げのペースで、会見では「市場が不安定」「アメリカの経済の先行きが不透明」だということを何度か話しました。 印象としては、前回のように、この後さらに金利をどんどん上げていくという印象ではなく、慎重にやっていくというメッセージに見えました。そして、市場とのコミュニケーションが十分ではなかったという批判があることに関して、「情報発信を丁寧にする」と話しました。全体として、もうすぐに金利を上げるという強気な感じではなく、慎重な印象でした。 ――それでは会見を受けてのいまの円相場を見ていきましょう。現在、143円35銭から37銭ですね。 総裁会見が始まる前は141円90銭台でしたので、1円40銭ぐらい円安に進みました。 日銀の政策がお昼頃に発表されたときには、変わりはなく、その後ちょっと円高になったくらいで、大きな変動はなかったんです。この総裁の会見を通じては、1円40銭近く円安に向かったということです。 日本時間の19日、いよいよアメリカが利下げを開始して、為替の動きはすごく注目されました。利下げが発表になった直後は、一気にドーンと円高になったんですけれども、その後は徐々に円安に向かいました。 この9月のアメリカの利下げというイベントは、投資家にはもうしっかりと織り込まれていたということです。 20日の日銀総裁会見でさらに円安になったという状況です