【50代女子旅】女子2人の茨城「いば旅」、見なきゃ損! の絶景「袋田の滝」とほっこり温泉へ
「入場チケット300円を購入して、きれいに整備されたトンネルを抜け、ずんずん行き、エレベーターで観瀑台にのぼると、ボババババー―っという飛沫の爆音が聞こえてきます。見ればそこに、すんごい滝が。 高さ120メートルから、4段の巨岩を経て、だんだんだんだん、ざーざーざーざーっと落下する様から“四度の滝”とも呼ばれているそう。 見ていると、惹かれながら、引く、という矛盾した感情が混在する不思議な感覚に。この場から逃げたい恐れも感じつつ、離れがたく吸い込まれそうにもなる。きっとなにものかが棲んでいる! そんな魔力を感じる滝を私は初めて見ました。 滝の圧倒的な水量に、滝行なんてしたら死ぬな、と勝手に確信していると、『冬に完全に凍って氷瀑(ひょうばく)になったら、ロッククライマーが登りに来るんだって』と相方。いやはや、どんなアドレナリンが出るのか興味深いけど、恐れおののきますね、命知らずがいるのだ、世の中には(100%凍ればトレーニングしている方なら大丈夫なんですって)」
朝も見なければならない、錦織り出す滝
「かの吟遊歌人、西行は『花もみち 経緯(よこたて)にして 山姫の錦織出す 袋田の瀧』と詠んでいます。確かに、滝の水の流れは、細い糸のよう。それは機織りに張られた白い糸の集まりのようでもあります。流れる水=糸の集まりは、1枚の布を紡ぎだしているようだから、山の姫が錦を織出している、と。さすが西行、との思いを強くしたのは、翌朝でした」
「次の日朝早く、再び滝へ。朝はまた表情が違うと聞いていた通り、“昨夜とは別人のようじゃ”となぜか時代劇調になって目を瞠りました。それぞれの水=糸の流れがはっきりと見え、それはそれは美しい、眼福。 1本1本が際立ち、意思をもって流れていくよう。背後に朝陽が輝くさまは、荘厳で、大聖堂のパイプオルガンが聴こえる気がしました。ダンテは“ナポリを見て死ね”と言ったらしいけど、“袋田の滝を見てから……”と」