「光る君へ」高杉真宙、演じた惟規の最期を振り返る「みんなのことを思っていた」
――父親役の岸谷さんとはいかがでしたか? 「超カッコいいお父さんですよ。面白おかしく話してくださるというか。僕、現場で『まひろ(真宙)』と呼ばれるのですが、姉上も役名が『まひろ』なので、たまにどっちの話をしてるのか分からない時があったんですが(笑)、ちゃんと僕を見てくださっている感じがあって。本当にカッコいいです」 ――道長と内裏で会うシーンもありました。道長とまひろとの関係も分かった上での印象は? 「道長さんは、居心地が良くなさそうな一瞬の顔とか、まひろとの関係は知られているな…みたいな顔を見て、『会ってやれ』と言ってくれる感じが優しそうな方だなって。そんな印象がありました。その後にまひろに『左大臣様の姉上への気持ちも変わらないな~』と言っていますし、惟規にとっても印象は良かったんだろうなと思います」 ――まひろと道長の“ソウルメイト”という関係について、実際あの2人を見てどう思いましたか。 「ソウルメイト…。2人の関係性を見てると、難しいですよね。苦しそうだなと思います。どこまでお互いがソウルメイトとして割り切れるか、みたいなところがあるんだと思うんですよ。結局は最初の発端が恋愛感情なので、多分難しいんだと思うんです。ソウルメイトとしての感情から始まったんだったらね…。苦しいな、苦しそうだなって思ってしまいます。でも、僕はソウルメイトっていうのは男女問わずあると思いますし、すてきな関係ですよね」
――第39回(10月13日放送)は惟規にとっての注目回となります。最初にオファーがあった時に、惟規について調べたりはされましたか? 「実際は惟規が亡くなる経緯は多くは残っていなかったんです。書いてあったのは、父と一緒に越後の方に行くということだけです。行く途中でこの世を去るのは残念な気がしますけどね。父上は長生きするはずなので、そこに惟規がいないのは、ちょっと心残りです」 ――惟規の最期、「詩を詠みたい。最後に歌を残したい」という彼の心境はどういう解釈をされましたか? 「時世の歌を遺すのは、皆さんされるようなんです。最期も、家族思いの惟規はみんなのことを思っていた、というふうに演じられたらいいなと思っていました。和歌の練習も書も初めてで、最期に書くシーンを実際にやることになるとは思っていなくて、動揺しました(笑)」 ――惟規にとって、改めて“家族”はどういう存在だったのでしょうか? 「為時邸に帰ると安心する。そんな家族だった印象です。それは内裏に行くようになってから、特にそう思いました。空気感が生み出されてるんだと思うんですよね。為時邸、姉上だったり、父上だったり、乙丸(矢部太郎)だったり、いと(信川清順)だったりが作ってくれているんだなと思いました」