「光る君へ」高杉真宙、演じた惟規の最期を振り返る「みんなのことを思っていた」
――惟規には「○○だな~」といった現代的なセリフがありましたよね。そのあたりは、どう感じていましたか? 「惟規のセリフは最後の伸ばしが多かったです。でも、台本で他の人のセリフを見ると、結構硬い言葉を使っているんですよね。僕は、所作も言葉もかなり現代に近かったので周りが硬い言葉だったり、その時代の言葉に寄せた言葉を使っているからこそ、強調されて聞こえる部分があるのかなと思いました」 ――セリフを軽く言おうというのは意識されていたんでしょうか? 「最初の頃は特に『もうちょっと明るく軽く』と監督たちにも言われていたので、それを意識してやっていましたけれど、そこまで多く言われなくなったので、ある程度の下地ができた状態になっているのだろうなとは思っていました。それもまた現代語に近かったからこそできるところもあるのかなと思います」 ――惟規のキャラクターは周囲の風通しをよくする存在のようにも思えます。 「惟規は登場する時に、毎回その場の空気を変えられるような印象があり、展開的にも、それが可能で割と自由に動かせるキャラクターではあったと思います。僕自身もそれを楽しんでやってこられました」
――第35回(9月15日放送)では、警護をかいくぐり、恋人である斎院の中将(小坂菜緒/日向坂46)に会いに行き捕まりますが、そこで苦し紛れに詠んだ詩が、自分の身を助けることになりました。このシーンの撮影エピソードを教えてください。 「撮影前からどういうシーンなんだろうって、ずっと思っていて。斎院の中将の君とのラブストーリーは、身分の差の壁を超えるための希望でもあったのかと思います。(そして、捕まった後に)とっさに詠んだ詩が良かったというか。家族の中では勉学の才能がない設定になっていましたけど、ある程度ちゃんとできる人物なんだろうと思いました。崖っぷちに立つと、“やるときはやる”男なのかなと思います。そうでなかったら、後押しがあっても出世して偉くはなっていないと思うんです」 ――男子禁制のところの塀を軽々超えていくシーンもありましたよね。 「惟規は諦めないんですよ。『もうやっちゃ駄目よ』って言われるんだけど、全然懲りていないところがいいですね(笑)」 ――そして、「惟規ってこんな情熱的な一面があったんだ」と驚かされました。 「惟規が恋愛に情熱的なんだなというのは確かにあって。でも、なんだかんだうぶな部分が多そうだなと思って演じていました。話しかけては振られて傷ついてをたくさん繰り返している人なのかなって想像を膨らませたり…」