トヨタの実証都市「ウーブン・シティ」25年秋に開始
トヨタが静岡県裾野市で計画している実証都市「Toyota Woven City(ウーブン・シティ)」のフェーズ1建築を完了し、2025年秋以降のオープンに向けて準備を本格化する。6日にCES 2025で発表した。 【この記事に関する別の画像を見る】 Woven Cityは、トヨタが「モビリティのテストコース」として、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本(TMEJ)の東富士工場の跡地にて建築を進めている。2020年のCESで構想を発表し、21年2月に建築に着手、24年10月末には最初に実証を開始するフェーズ1の建物が完成した。今後、内装工事やインフラなどの準備を本格化し、25年秋以降に実証を開始。「オフィシャルローンチ」を迎える。 TMEJ東富士工場の建屋を一部残し、Woven Cityにおけるモノづくりの起点として活用。また、フェーズ2の造成工事も開始している。 Woven Cityにおいてはパートナーと協力して、「モビリティの拡張」を目指す。Inventors(インベンターズ/発明家)と呼ぶパートナーが、自らのプロダクトやサービスを生み出し、実証を行なう場として活用。InventorsはトヨタやWbyTなどのトヨタグループ企業のほか、社外の企業も参加予定。 現時点では、ダイキン工業、ダイドードリンコ、UCCジャパン、増進会ホールディングスなど5社が参加するほか、ENEOS、NTT、リンナイも検討を進めている。 Woven City実証テーマ ダイキン工業株式会社 空調製品、フッ素化学製品等の製造・販売・アフターサービス。「花粉レス空間」や「パーソナライズされた機能的空間」に関する実証実験 ダイドードリンコ 清涼飲料等の製造販売。自動販売機を通じた新たな価値創造 日清食品 即席麺等の製造および販売。新たな「食文化」創造に向けた食環境の構築とその環境が及ぼす影響の検証 UCCジャパン コーヒー製造販売等国内事業会社の統括。未来型カフェの運営を通じたコーヒーの潜在価値の実証 増進会ホールディングス 通信教育、教室を展開する総合教育事業。データ活用による先進的な教育スタイル及び新しい学びの場の実現 今後はスタートアップや起業家、大学・研究機関のWoven Cityを参加も想定しており、その一つの取り組みとして、2025年夏頃にアクセラレータープログラムの募集開始を予定している。 住民やビジターも募集。Woven Cityでは住民とビジターをWeavers(ウィーバーズ)と呼び、Woven Cityで行なわれるInventorsの実証へのフィードバックの役割を担う。住民は、25年秋以降のオフィシャルローンチ時点ではトヨタとWbyT(ウーブン・バイ・トヨタ)などの関係者とその家族100名程度を想定しており、その後社外のInventorsやその家族などに拡大していく。 フェーズ1エリアでは約360名を予定しており、フェーズ2以降も含めて将来は2,000名程度に拡大する。ビジター関係者から受け入れ開始し、2026年度以降は一般の人もWeaversとして実証に参加できるようにする。 Woven Cityはトヨタがモビリティカンパニーへ変革するための「テストコース」と位置づけ。移動手段としてのモビリティだけではなく、モビリティがヒトや社会のためにできることを増やすことが目標。 なお、陸・海・空のモビリティを「宇宙」に拡大することを視野に、WbyTはインターステラテクノロジズに対する約70億円の出資と、トヨタのモノづくりの知見を活かしたロケット量産化のサポートも発表している。 Woven Cityの住所は、静岡県裾野市御宿1117(TMEJ東富士工場跡地)。敷地面積は約5万m2(将来は約708,000m2)。
Impress Watch,臼田勤哉