☆旧車スーパーカブ☆セミレストア仕上げだから純正ペイントは磨く!!
あちこちにある補修タッチアップ痕は指先磨きで除去
スイングアームやバッテリーケース周辺は、バッテリー液がオーバーフローしたのか、塗膜が剥がれ落ちて地肌からサビが出ている部分もあった。そんな部分には、近似の赤色塗料やサビ止めの赤塗料が塗られていた。ウエスにコンパウンドを塗布して指先で擦るだけで、ウエスはすぐに赤く染まってしまった。近似色の赤色ウレタン塗料を準備して、重ね塗りでタッチアップ対処してみようと思う。 ────────── 【POINT】 ▶スーパーカブ×メンテの世界・ペイント剥げやサビが出ている時には、筆入れタッチアップペイントで対処するのが良い。同色ペイントでタッチアップする際には、缶スプレーの場合はフタの裏側へ塗料を吹き付け、その塗料を筆にとってタッチアップするのが良い。汚れを落として部分的なペイントハゲをタッチアップするだけでも、好印象な仕上がりになる。くれぐれも慌てずに、じっくりの作業進行しよう。 ────────── せっかくここまで分解したのだから、純正ペイントよりも高品質な塗料を使って、フレームはオールペンしてしまった方が手っ取り早く美しくすることができる。もはやフルレストアに近い作業内容だが、磨き込みとタッチアップペイントだけで、どれほど見違える仕上がりになるのかも興味津々なところだった。 CT110のフレームを磨いて感じたのは、一般の黒フレームの塗膜強度とは違って、ペイント膜がやわらかく削れやすいことだった。例えば、ワイヤーケーブルの取り回しでケーブルアウターとフレームが擦れる部分は、下塗りのグレープライマーが露出していたし、メインハーネスが擦れた部分も塗膜が薄くなっていた。赤色塗料は発色が今ひとつ良くなく色ムラになりやすい傾向もあるので、下塗りとして明るいプライマーを吹いてから赤塗料を吹いて仕上げている。このペイント工程は同年代に発売されたFTR250も同じだった。 強く磨き過ぎると簡単に塗膜が薄くムラになってしまうので、最初からウエスにコンパウンドを塗布して、手磨きで仕上げてもよいだろう。最終的には筆入れタッチアップで仕上げたが、この時にありがたいのが「ノンシリコン」のコンパウンドである。ここで利用しているストレートのコンパウンドは、ペイントショップや自動車鈑金工場でも使われている、ワックス成分が入っていないコンパウンドだ。ワックス入りコンパウンドで磨くとツヤは出るが、重ね塗りでクリアを吹き付けると、クリア塗膜が弾いて最悪な結果となってしまうからだ。また、過去にポリッシングで使ったスポンジバフやウールバフの中古品を再利用する際には、新たなコンパウンドで作業する前に、必ず、中性洗剤を利用してバフをしっかりもみ洗いしよう。汚れの中に粒度の異なるコンパウンオドが残っていると、狙った粒度での磨き作業を出来なくなってしまうからだ。 ペイントは前後工程を含めて神経を使う作業だが、ポリッシングも同じなので、作業進行する際には、間髪入れずに一気に作業進行するのが良いそうだ。
たぐちかつみ