Netflixのお笑い仕掛け人、佐久間宣行の生き様 「トークサバイバー!」を支える“滑らせない力”
■キャスティングの裏側 Netflixのコメディシリーズ「トークサバイバー!」で、佐久間はキャスティングに強いこだわりを見せている。特に俳優たちの演技におけるトーンには一切の妥協がなかった。 「俳優さんに関しては、とにかくふざけずに本気で演じてほしいという思いがありました。シリアスなトーンで真剣に演じてくれる人を選びたかったんです」 俳優たちは、真剣に演じることでコメディとしての新しい面白さを引き出している。そして芸人たちに対するキャスティングでも、佐久間のセンスが光る。
「今回は、コンビで出演する形式を試したかったんです。コンビだとお互いのエピソードを補完し合えるし、コンビならではの独特な面白さも出せると思ったので」 さらに千鳥の大悟を支える重要な役として、シーズン3では山内健司(かまいたち)をキャスティング。 「山内さんがいることで安心感があり、大悟さんがボケた時にも安心してツッコミができるからです」 ■「キレながら褒める」が生んだ爆笑 「トークサバイバー! ラスト・オブ・ラフ」では、新たな企画「キレながら褒める」が登場し、視聴者を驚かせた。この企画は、収録のわずか1週間前に生まれたアイデアだった。
「最初は過去の企画を再度やることも考えましたが、『せっかくだから新しいものに挑戦したい』と思ったんです。いろいろ考えましたが、ピンとくるものがなかなか出てこなくて」 「褒める」というテーマは浮かんだものの、単に褒めてもらうだけではなく、もっと恥ずかしく、面白くするためにどうすればいいかを考えた結果、「キレながら褒める」という逆説的なコンセプトが生まれた。 「芸人さんたちが褒められるのは恥ずかしいだろうと思ったので、さらに喧嘩のトーンで褒めるというアイデアが出てきたんです」
津田篤宏(ダイアン)が最初にこの企画に挑戦し、そのパフォーマンスで現場は一気に盛り上がった。 「津田くんがやってくれた時点で盛り上がったので、『これはいけるな』と感じました」 Netflixコメディシリーズ「トークサバイバー!」の成功の背後には、千鳥の存在が大きな影響を与えていた。佐久間は、千鳥が持つ「滑らせない力」を高く評価している。 「千鳥の前で『滑りたくない』と思わせる力があるからこそ、他ではできない話を芸人たちがぶっ込んでくれるんです。特に、『この人たちが笑ってくれたら嬉しい』という千鳥のカリスマ性があってこそ、スキャンダラスなトークも出てくるんだと思います」