Netflixのお笑い仕掛け人、佐久間宣行の生き様 「トークサバイバー!」を支える“滑らせない力”
その言葉通り、「トークサバイバー!」の完成品を見せたとき、周囲の反応は驚きに満ちていた。 「実際に完成したものを見せたとき、みんなが『おお!』って驚いてくれて、『やっぱりこれはいける』と確信しました。『面白いですね』と言われる作品は、普通は平均的な評価になりがちなんですが、今回はそれを超える手応えがありました。だから、プレッシャーは感じなかったんです」 ■リアリティショーから着想 佐久間が手掛けたNetflixのコメディシリーズ「トークサバイバー!」は、斬新でユニークなコンセプトで視聴者を魅了した。この作品の人気の理由は、ドラマの中で芸人が物語に絡みながら、巧みにトークを展開していくという異色の構成にある。
「もともと、僕は『トークをドラマのトーンで話すと、普段のトーク番組では話せないエピソードでも面白く聞こえるんじゃないか』と考えていました。それはリアリティショーを見たときに感じたんです。めちゃくちゃカッコいい2人が、特にオチもない普通の話をしているのに、なぜか面白く感じて、引き込まれたんですよね」 リアリティショーの何気ない会話から得たヒントをもとに、「芸人がこのトーンでトークをしたら絶対面白い」というアイデアを持ち続けていたが、それを形にするのは簡単ではなかった。そこで、自らの番組『NEO決戦バラエティ キングちゃん』で試験的に「ドラマチックハートブレイク王」という企画を実施した。
「少しだけドラマ要素を加えたら、これが面白かったので、もっと大きく膨らませたいという思いがずっとありました。ただ、そうするには予算が必要だったので、アイデアを温めていました」 そしてNetflixからオファーが来たとき、この温めていた企画を真っ先に提案した。 「いくつか企画を持っていきましたが、その中でもこの企画が一番やりたかったんです」 こうして、「トークサバイバー!」は、リアリティショーとドラマを融合させた独自のスタイルで世に送り出されることとなった。