熊本で焼かれたパンが約45分で鹿児島に 物流の2024年問題解決へ
鹿児島テレビ
物流における労働力不足、いわゆる「2024年問題」の解決に向けた試みの一つが始まりました。 熊本県で作られた人気の焼きたてのパンを、トラックの代わりに新幹線を使い、短い時間で鹿児島市に輸送するサービスが5月30日から始まりました。 午前10時半ごろ、熊本県のJR新八代駅のホームで、新幹線に荷物が積み込まれていました。 その中身は、焼きたてのパンです。 3つの箱に入っているのは、熊本県宇城市の人気のパン店「石窯パンとケーキのミルキー」で、多い時で1日400個から500個売れるという「塩メロンパン」など、30日朝焼いた4種類のパン、50個です。 これはJR九州が提供する新幹線荷物輸送サービスで、これまでは博多と熊本の間、そして博多と鹿児島中央の間だけでしたが、30日、新たに新八代と鹿児島中央間で運用が始まりました。 河内杏月アナウンサー 「新幹線を使って熊本から届けられた焼きたてのパンが、いま鹿児島中央駅のホームへと運び出されていきます」 新八代駅を出発して約45分、鹿児島中央駅に到着したパンは、専用の窓口で、鹿児島市真砂本町にある菓子店「アグリデール」に引き渡されました。 これまではトラックによる輸送で、パンが店頭に並ぶまでに24時間以上かかっていましたが、30日は3時間ほどで販売されました。 パンを購入した人 「ここのメロンパンが好きです。5つ買って家族に持っていこうかな。 パンは焼き立てがおいしいので、いいと思います新幹線(の輸送)」 人気の「塩メロンパン」を食べてみました。 河内杏月アナウンサー 「中がふんわり、もちもちです。とてもいい香りがします。熊本で焼きたての パンが今鹿児島でその日のうちに食べられるのは不思議な感じがします」 こちらの菓子店では、約1年前からこのパンを販売していて焼きたてを提供できることで、多くの人に食べてもらえることを期待しています。 アグリデール・南枝里代表 「できたての感動の味をみなさんに食べてもらえるのが楽しみ」 JR九州列車物流プロジェクト・梶原佳与さん 「食材など急ぎの品物を運ぶことで、最大の強みである即日輸送を生かして 困りごとの解決に役立てていきたい」 このサービスは個人でも利用でき、博多ー鹿児島中央間で最速2時間35分で荷物が届きます。 料金は荷物のサイズに応じて、900円からとなっていて、トラックでの輸送に代わる、新たな物流の形となることが期待されます。
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