新日本・大岩が箱舟ラストマッチ 清宮に一騎打ちで敗れ「海斗さん、ノアに誘ってくれてありがとうございました!」
「プロレス・ノア」(14日、後楽園ホール) 新日本プロレスから異例の国内武者修行として約1年、ノアに参戦していた大岩陵平(25)が、メインイベントでラストマッチに臨んだ。パートナーとして8カ月間組み、たもとを分かってからは激しい戦いを繰り広げてきたGHCヘビー級王者・清宮海斗(28)と一騎打ち。先月のN-1ビクトリー公式戦では時間切れ引き分けに終わったが、この日は清宮が勝って送り出した。 試合はエルボーの打ち合いからバックドロップ、ドクターボムで大岩が先制。清宮は場外フロアと客席でボディースラムを連発して逆襲する。 大岩がアントニオ猪木さんばりのショルダーアームブリーカーを見せれば、すぐさま清宮がジャイアント馬場さんばりのフライングネックブリーカードロップを返すなど互いのルーツをのぞかせる攻防もあり、熱い試合は20分台に突入。雪崩式スープレックスをくり出した大岩に、清宮はカウンターのジャンピングニーアタック、シャイニングウィザード、タイガースープレックスホールド、シャイニングウィザードとたたみ込むが、大岩はロープをつかむ。最後は大岩のジャーマンスープレックスホールドが崩れ、清宮が4の字ジャックナイフで丸め込んで3カウントを奪った。 清宮は「大岩君!1年間ノアで戦ってくれてありがとう!この1年でこのリングの誰より成長したな!陵平がどこにいようとどこに行こうと、おまえはノアの一員だよ。大岩いや陵平!1年間でものすごく成長したな。おまえはどこに行ってもプロレスリング・ノアの魂を持った選手だよ!成長をどこに行っても俺は見てるぞ!」と惜別の辞。 大岩も感無量の表情で「清宮海斗、いつも俺の高い高い壁でいてくれてありがとう!海斗さん!俺をノアに誘ってくれてありがとうございます!」と一礼。「あっという間に1年間たったけど、海斗さんがいてくれて俺はすごく自信になりました。俺と海斗さんは終わらねえ!」と絶叫した。 2人は握手して抱擁し、清宮は「陵平、またいつか分からないけど、次やる時は満員のもっと大きな会場でやってやる!」と宣言。大岩は四方に頭を下げ、大きな「オオイワ」コールに送られてノアのリングを去った。 バックステージで、清宮は「俺もねえ、彼と戦って成長させてもらったなって。どこに行っても彼ならもっともっと上のステージに上がれるんじゃないかなって思うし、何度も何度も厳しくしたけど、その分はい上がってくる選手だって感じてた。プロレス界の宝だよ」コメント。 大岩は「俺はいつもここの頂を狙ってるぞ。そして海斗さん、本当に本当にありがとうございました。おかげで俺のなりたいレスラー像がはっきりしました。最後に一つ、俺の目標は新日本プロレスのトップ、IWGP世界ヘビー級を取ること」と言い残した。 なお、清宮のマイク中にマサ北宮が現れ、10・14後楽園ホール大会でのGHC挑戦を表明。清宮は受諾しつつも「ちょっとは空気を読んでくれ…」とぼやいた。 ◇ ◇ セミファイナルでは第11代GHCナショナル王者・佐々木憂流迦が、征矢学を挑戦者に迎えて初防衛戦を行った。N-1ビクトリー公式戦で征矢に敗れている佐々木がカニ挟みからのアキレス腱固め、プランチャで先制したが、征矢は佐々木が終盤に勝負をかけた裸絞めをデスバレーボムで切り返し、前後からのラリアットを連打するとジャンピングDDTでトドメを刺した。 ノア入団5年で初のGHCタイトルを獲得した征矢は「ようやく、ようやく、ようやくベルトを巻くことができました!」と絶叫し、イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.を挑戦者に逆指名。ワグナーも握手で受諾し、タイトルマッチが決定的になった。征矢はバックステージで「チャンピオンらしく、このノアのリングに情熱をたたきつける」と誓っていた。