オリ・宮城 「12球団最速決定」 来季開幕投手に 「ちょっと驚きましたけど、自覚と責任を持って」
「12球団最速決定」だ。オリックスの宮城大弥投手(23)が3日、来季の開幕投手を務めることが決まった。岸田監督が同日、大阪・舞洲の球団施設で通達。新体制の船出のマウンドは、エース左腕に託された。 「ちょっと驚きましたけど、自覚と責任を持ってオフから取り組みたい。“任せるよ”という一言が凄くうれしいですし、期待に応えられるようにやりたいと思います」 まだ、秋季キャンプ開始前。過去には22年9月28日のシーズン最終戦後に日本ハム・新庄監督が加藤貴を開幕投手に指名したこともあるが、極めて異例の早期公表となった。 伏線は、宮城が先発した今季最終戦の10月6日楽天戦だ。規定投球回数と最優秀防御率が懸かっていた試合で6回まで1失点。あと1回1/3で規定到達、2回1/3を自責0で抑えればタイトルも付いてきたが、8―1の7回の攻撃中に降雨コールドが決まり「悲運の完投勝利」となった。人目をはばからず涙した左腕は、やるせない気持ちを抱えたままシーズンを終えた。 実力的には2年連続開幕投手の大本命。ならば、一日でも早く通達し、すっきりした気持ちで来季へ準備してほしい――。投手コーチ時代から見てきた岸田監督の“親心”からくる早期公表だった。 「早く準備してもらうために、心も全部。やってくれると信じています」 今季の中嶋前監督は、開幕前日に宮城が予告先発されるまで公表せず。対照的な形となったが、今や誰もが認めるエース。「任せられたからには勝ちにこだわってやりたい」と目線を来季へ向けた。(山添 晴治) ▽近年の開幕投手スピード指名 ★金子千尋(オ)14年10月14日、CSファーストS敗退後の全体ミーティングで森脇監督から指名を受けた。14年開幕投手指名の13年11月16日を大幅に更新したが、同年オフに右肘を手術。リハビリのため登板を回避した。 ★メッセンジャー(神)再契約前の16年10月14日に金本監督から「ほぼメッセ」とフライング指名。翌17年も11月23日に「アクシデントがない限り、いわゆるレギュラー」と全幅の信頼で指名された。 ★加藤貴之(日)22年、札幌ドーム最終戦の9月28日ロッテ戦終了後のセレモニーで新庄監督が電撃発表した。「(指名に)うそでしょって言われたけど、最後はやりますっていう顔をしていた」