「与党敗北」という予想された惨事 衆院選後の日本株を考える【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
※本稿は、チーフグローバルストラテジスト・白木久史氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。
------------------------------------- 【目次】 1. 自公連立政権が惨敗 2. ジンクス破り「異様な10月相場」 3. 衆院選後の日本株の行方 ------------------------------------- 注目の衆議院選挙の結果は、与党自公政権の惨敗となりました。石破新総理の支持率の低さからある程度の苦戦は予想されていたものの、結果は首相自ら設定した「勝敗ライン」の過半数を下回る与党の完敗でした。 選挙結果を受けて、週明け10月28日の日本の株式市場は軟調に寄り付いた後に大きく買戻しが入るなど、激しい値動きを見せています。久しく意識されることのなかった「政治リスク」に市場が翻弄されている格好ですが、今回の選挙結果を踏まえて今後の日本株をどう見るか、ポイントを整理します。
1. 自公連立政権が惨敗
■10月27日投開票の第50回衆議院選挙は、与党の自公連立政権の惨敗となりました。自民党の獲得議席は改選前の247議席から191議席に、公明党は同32議席から24議席に減少し、与党合計の獲得議席数は過半数の233議席を下回る215議席に留まりました。また、現役閣僚の複数が小選挙区で敗れ、公明党の代表が落選するなど、まさに惨敗といっていい結果となりました。 ■総選挙の結果を受けて、週明け東京市場の日本株は乱高下しています。10月28日の日経平均は前日比▲155円97銭安の37,757円95銭で寄付き、その後は大きく買戻しが入るなど、激しい値動きを見せています。 ■選挙期間中の報道各社の世論調査・票読みの報道などから、与党の苦戦は不可避と思われていました。しかし、今回の連立与党での過半数割れという結果は、想定を超える惨敗と言えそうです。いわゆる「裏金問題」に端を発した自民党の支持率低下と、党内基盤の弱い石破内閣の求心力の弱さを強く印象付ける結果といえそうですが、与党の惨敗を受けて、日本の政治情勢に関心の高い海外投資家は売りに回る可能性がありそうです。このため、日本の株式市場はしばらく不安定な状況が続きそうです。
【関連記事】
- 与党惨敗で「異様な相場展開」へ 衆院選後の「日本株」を考える【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
- 米大統領選まで2週間、“ハリス崖っぷち”で「トランプトレード」が再加速【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
- 石破ショックは「2度」来る?【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
- 例えば「トヨタ」…世界株インデックスだけではもったいない「日本のグローバル株」という選択肢【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
- 株の売り時…出現したら「とにかく逃げるべき」ローソク足の形