「イメージ通りだった」清武弘嗣の技巧シュート 2戦連続無失点のJ1アビスパ福岡・永石拓海、次節名古屋戦も浮かべる好印象
J1アビスパ福岡のGK永石拓海(28)があごの骨折から復帰後、好パフォーマンスを続けている。約3カ月ぶりの出場となった21日磐田戦に続き、同28日のアウェー鳥栖戦でも2試合連続無失点。チームは11戦勝ちなしながら勝ち点を上積みし、前節から順位を一つ上げて12位となった。 ■ド迫力!! ロングスローの練習をするウェリントン【写真】 前半に鳥栖・中原輝のミドルシュートを防いだ永石は、福岡サポーターを背にして守った後半に「僕らだけじゃ勝てない。後押しをもらいながらやっていこうという思いだった」。思いを体現したのは後半23分。鳥栖・清武弘嗣がペナルティーエリア手前からゴール左上隅に狙ってきた技ありのシュートを防ぐと、続く久保藤次郎の強烈なシュートもセーブ。すぐさま福岡サポーターに向かってほえた。「僕らのきつい時間帯だったので、一緒に乗り越えようという意味だった。いつも本当に助けてくれる」と感謝した。 気持ちだけで止めたセーブではない。2017年にC大阪の特別指定選手となり、翌年加入して20年まで在籍(19年は山口に期限付き移籍)した永石は、チームメートだった清武のシュートを練習で数多く受けてきた。「本当に(いい)コースにきれいなボールを蹴ってくる、シュートがうまい選手。ファーストタッチの置きどころがすごく良かったので、打ってくると思い、まず下がった」。弧を描き、GKから逃げていく弾道も「嫌なところに蹴ってくるというのも常に頭にあった。シュートへの準備はどの選手に対しても変わらないけど、より意識してできたし、弾丸で飛んでくるよりコースに流し込むシュートが上手な方なので、イメージ通りだった」と右手一本ではじいた。 C大阪ではJ1リーグで出番がなく、出場機会を求めて21年に福岡へ。昨秋のYBCルヴァン・カップ決勝でゴールを死守してクラブ初タイトルに貢献した。開幕スタメンを飾った今季もあご骨折による長期離脱を挟みながら、J1リーグ戦で9試合に出場して4試合無失点と高い安定感を誇る。 最後のとりでとして申し分のない働きをしているが、11戦勝ちなしで鳥栖戦後起きたブーイングに「無失点だからといって手放しで喜べるわけじゃない。僕がアビスパに来てから一番勝利から遠のいているので。僕から点を取らせるのは簡単ではないけど、手助けになるようなプレーはもう少し意識していかないと」と笑顔はない。 次節10月4日はホーム名古屋戦。永石が出場した昨季のルヴァン・カップ準決勝で2試合続けて1―0で破った相手だ。「いい思い出があるチームを相手にすると、すごく調子が良くなるイメージがある。いいモチベーションで臨める」と永石。約1年前の準決勝のように、サポーターと歓喜を分かち合う覚悟だ。(末継智章)
西日本新聞社