「豊かな繋がりがあるから、貧しくない」 他の国では得られないアフリカのエネルギー
現代人の精霊、ChatGPT!?
“アフリ観LIFE“を送る人を紹介する連載企画《「奥 祐斉と考える - “アフリ観LIFE“ -」 僕たちは、きっとアフリカに救われる」》第1回目のゲストは、アフリカ・ケニアの巨大スラム街キベラとの出会いから自らの人生をシフトさせた、坂田ミギーさんです。アフリカの孤児・貧困児童と女性へのサポートを目的としたエシカルアパレルブランド「SHIFT 80」の代表として活躍されています。 奥祐斉:前編に引き続き、坂田ミギーさんにお話を伺っていきたいと思います。前編では、ミギーさんが立ち上げたアパレルブランド「SHIFT80」について伺いましたが、アフリカに向き合うミギーさんをもう少し掘り下げていけたらなと思っています。 ミギーさんって、旅を通じて裸族っぽいことも経験されていて面白いなって、それも結構刺さってるんですけど。人間が人間らしくある場所に、ありのままの自分で飛び込んでいくというか。 いろんな世界を見てきたミギーさんですが、何かを返していくことや共に何かをはじめることを考えた時に、なぜアフリカだったのか気になっているんですよね。 インドは呼ばれるって言いますけど、アフリカも近いものがあるなと思っていて。 坂田ミギー:世界一周するまでは、正直「アフリカでは太鼓を通じて精霊と会話する人がいるの?本当に?そんなわけない」と思っていたんですよね。 奥祐斉:わかります(笑)。 坂田ミギー:「呪術を使って病気を治す?それで治るわけがないし、非科学的だろう」と。当時の自分は浅はかでした。実際に彼らと出会うと「太鼓で会話するのも、呪術で問題を解決するのも、本当に存在するんだ」と思えるんですよね。 奥祐斉:わかります。そうですよね。 坂田ミギー:私たちが失ったものを、彼らはまだ持ち続けている。素敵なことだと思います。大地や死者からエネルギーを受けとるとか、精霊に問いかけて答えを聞くとか、「本当に?」とは今でもたまに思うものの、実際に存在するんです。もしかしたら、アフリカにはまだ残されているけれど、我々の多くがそのような世界・力とつながる能力を失ってしまっただけなのかもしれない。 奥祐斉:先日、アフリカをベースに活動している方と、日本国内で活躍されているAIの専門家の大学教授とを引き合わせて話してもらいました。「ChatGPTに何かを問いかける時、誰がどんな風に答えているのかアルゴリズムも解らない。けれど現代人は、安心する・落ち着くという感じで使っている」との話で着地したんですね。そして、アフリカで活動されている方が「アフリカの人たちが、精霊や呪術師に祈ったりする時と一緒ですね」って言ったんです。確かに!と、思わず笑ってしまいました。 坂田ミギー:確かに近いものがありますね。面白い。 奥祐斉:だから結局、現代人も同じことをやっているんだなと思いました。本質的にはほとんどの人がAIを理解して使っているわけではない。けれど、安心したいことがあって、テクノロジーに頼っている。 坂田ミギー:アフリカで精霊や大地に問いかけるのとおなじかもしれません。結局、我々にはそれらに近い存在が必要なのかもしれないですね。