「GO FOR KOGEI 2024」開催決定。テーマは「くらしと工芸、アートにおける哲学的なもの」
2020年から始まった、北陸から工芸の魅力を発信する取り組み「GO FOR KOGEI」。その第5回の開催が決定した。 工芸を主軸に、現代美術、アール・ブリュット、デザインなどとともに横断的に紹介し、工芸の広がりを提示してきた同芸術祭。 前回(2023)は富山県の富岩運河沿いを会場に作家26名の作品展示と国際シンポジウムを行い、のべ14万人以上の来場者を記録した。 今年の会場は岩瀬エリア(富山県富山市)と東山エリア(石川県金沢市)。ものづくりが古くから受け継がれてきた北陸にて 「くらしと工芸、アートにおける哲学的なもの」をテーマに、作品展示のほか様々なイベントを通じて、現代における新たな工芸を発信するという。 総合監修・キュレーターはこれまで同様、秋元雄史(東京藝術大学名誉教授)が務める。秋元は開催にあたり、次のようなメッセージを寄せている。 GO FOR KOGEI 2024では、アルチザン、クラフトマン、デザイナー、アーティストが集まり、素材、技法、用途、表現といった近代工芸の特徴に改めて着目して、今日の多様な工芸と隣接するアートを紹介します。会場は、昨年からの継続となる岩瀬エリア(富山市)に、新たに金沢市の東山を加えて、二つのエリアで開催します。美術館のようなニュートラルな場所とは異なり、伝統的な町並みが残る両エリアでは、昔ながらの暮らしが営まれています。そこに今日的な工芸、アートを差し込むことで、普段とは異なるまちの姿を見せることができるでしょう。 岩瀬エリアでは、町並みや風景を生かしたサイトスペシフィックな作品を鑑賞し、地元の日本酒や食などを楽しめる場所と共に、ゆったりした旅の気分を味わうことができます。また、東山エリアでは、作品展示のほか2021年に実施した「工芸×デザイン 13人のディレクターが描く工芸のある暮らしの姿」をもとに発展させた、「もの」と「こと」が織りなすイベントを開催し、「工芸、アートにおける哲学的なもの」と言える深みを提示していきます。 これらの体験を通して、現代の生活における工芸とアートの新たな意味と価値をつかみ取ることができるでしょう。暮らしの中の、光、雨、匂い、音など、雑多な時間の中に存在する工芸は、単なる装飾物を超えてまちに溶け込み、社会と関わりを持つ事物として現れて、新たな価値と意味を加えていきます。(プレスリリースより)