海外での怪我、乱闘寸前の試合、シュラガーからの指導、初のWTT参戦 朝日大・岡野俊介の海外武者修行
春休み期間に多くの大学生選手がヨーロッパの卓球リーグに参戦した。 2023年の全日本学生卓球選手権のシングルスを制した“大学生ナンバー1左腕”岡野俊介(朝日大)もその1人だ。 オーストリア・ブンデスリーガの『ウィーナー・ノイシュタッド』でハーフシーズンを戦い、優勝決定戦でも貴重な白星をあげ、見事チームのオーストリア・ブンデスリーガ優勝に貢献した。 帰国したばかりの岡野に海外リーグでの戦いぶりについて話を聞いた。
オーストリアリーグ参戦のきっかけは松平賢二
――まずは参戦のきっかけを教えてください。 岡野俊介:昨年、自分のチームであるウィーナー・ノイシュタッドでは松平賢二さん(協和キリン)が所属してプレーしていました。 チームのボスが「左の若手が欲しい」と賢二さんに伝えたところ、「岡野だ」って賢二さんが思ってくれたらしくて、行かせてもらえることになりました。 ――松平賢二選手の推薦だったんですね。 スケジュールとしてはいつからいつまで行ってたんですか? 岡野俊介:自分はハーフシーズンの参戦だったので、2月17日から4月30日まででした。 ――練習などはどういうスケジュールで動いてたんでしょうか? 岡野俊介:練習は、ホームステイさせてもらってた家の敷地内に卓球台があったのでそこでやっていました。 その家の子がオーストリアのユース世代の選手なので一緒に練習したり、違うチームの選手が練習に来てくれたり、意外と自主練のような雰囲気でした。 ――そんな感じなんですね。 がっつりプロと練習する感じかと思っていました。 岡野俊介:そんなに量も多くなくて、自分で頑張らないといけない感じでした。 ただ、ホームステイ先の息子のコーチがレベンコのお父さんという縁もあり、たまにアンドレアス・レベンコ(オーストリア)が練習に来てくれることはありました。
7時間車で移動しての試合も
――ホームステイ先の生活は快適でしたか? 岡野俊介:ご飯を毎食作ってくれて、自分の部屋もあって、自由にさせてもらえたので、良い生活でした。 自分はヨーロッパの食事が苦ではなくて、普通に美味しく食べられました。 ――あと言語もストレスになるかと思うんですけどそこはどうでしたか? 岡野俊介:自分はそんなに喋れるわけじゃないんですけど、ヨーロッパの人は英語が喋れるので、少しずつ自分も勉強しながら頑張って聞き取って生活してました。 ――ほかに大変だった部分はありますか? 岡野俊介:移動は大変でしたね。 初めてリーグ戦に出た時に、ホームとアウェイの連戦でした。3月1日がホームでの試合だったんですけど、次の日、車で7時間移動してアウェー戦でした。 試合後もまた7時間移動して帰ってきて、そういうのは日本ではないなと思って、結構大変でした。 メンタルはすごい鍛えられたと思います(笑)。 ――移動は車で長時間、というのは海外リーグあるあるとしてよく聞きますし、しっかり体験されたんですね(笑)。 ホームとアウェイだと雰囲気は全然違いますか? 岡野俊介:初めてブーイングもくらって「これが海外か。すごいな」って思って面白かったです(笑)。やっぱり日本人は優しいんだなと思いました(笑)。 会場の応援もすごく騒がしくて、全然日本とは違う環境だったので、良い経験だったなと改めて思います。