大阪に7世紀後半の「飛鳥仏」 法隆寺献納宝物と酷似
大阪府和泉市の寺院「天受院」に安置されていた仏像が、日本国内で仏像制作が始まる飛鳥時代に作られた7世紀後半の「飛鳥仏」と鑑定されていたことが24日分かった。東京国立博物館が所蔵する法隆寺献納宝物第150号如来立像(国重要文化財、7世紀前半から中頃)と、正面でU字形に垂れ下がる衣の表現などがよく似ており、金属成分も純銅に近く、古代の金銅仏として矛盾しないことも分かった。 天受院の仏像は銅造如来立像で、高さ約30センチ。和泉市が市史編さんに伴い、市内の各寺院を調査。外見から飛鳥仏と想定されたが、後の時代に飛鳥時代の仏像をまねて作る例もあることから2017年に奈良国立博物館に成分分析を依頼。成分は純銅に近く、古代の金銅仏の特徴と一致していた。 150号像も高さ27センチで、制作方法、金属成分もほぼ変わらないが、天受院の仏像は、やや簡略化した表現があり、市は7世紀後半と判断、20年に市文化財に指定された。
天受院は中世の創建で、この仏像は江戸時代の厨子に納められていた。