名アンパイヤが振り返る思い出の退場劇 日本一6度の名将に野球人生初の「退場」を宣告したのはなぜ?
── 遅延行為の理由による退場処分の目安は5分間です。 井野 森監督は「退場にできるものならしてみなさいよ」と、選手をダグアウトに引き揚げさせました。結局、退場処分の理由は「審判員への侮辱行為」でした。森監督は現役時代を含め、35年のなかで初めての退場処分だったそうです。「あんたがオレを初めて退場にしたヤツや」と言われました。 つづく>> 井野修(いの・おさむ)/1954年、群馬県生まれ。76年、神奈川大学在籍中にセントラル・リーグ審判部へ入局し、2009年まで所属。03年からセ・リーグ審判部長、両リーグ審判部が統合された2011年からNPB初代審判長を務めた。14年~22年、NPB審判技術委員長兼日本野球規則委員。23年には四国アイランドリーグPlus、ルートインBCリーグの審判部アドバイザーに就任した。通算審判員歴34年、ペナントレース2902試合出場、日本シリーズにも12度出場している
水道博●文 text by Suido Hiroshi