選考条件に阻まれた怪物FW、去就注目の五輪ストライカー 優秀選手から漏れた選手たち
優秀選手34人に惜しくも入らなかったMFとFWを独自にピックアップした
今年のJ1の年間表彰式である「2024Jリーグアウォーズ」が12月10日に横浜アリーナで行われた。監督および選手による「ベストイレブン」の投票結果をもとに、各ポジションの得票数上位選手からチェアマンが決定した34人が優秀選手に選出されたが、優秀選手に入らなかったものの活躍をした選手たちはほかにもいる。「FOOTBALL ZONE」は独自に準優秀選手を9人ピックアップした。後編ではMFとFWの5選手を取り上げる。 【実際のデータ】Jリーグ優秀選手34人「監督&選手の投票結果」内訳 今回、鹿島アントラーズのボランチで活躍した知念慶がFW登録だったこともあり、ベストイレブンのMF登録の選手が一人だけという珍事があったが、ここではMF登録の3選手をピックアップした。 まずは鹿島からFC東京にレンタル移籍したMF荒木遼太郎を選びたい。シーズン序盤から出場機会を得た荒木は、プレーできなかった昨季の悔しさを晴らすべく躍動。シーズン序盤の6試合で5ゴールをマークすると、U-23日本代表に復帰してAFC U-23アジアカップの優勝に貢献し、パリ五輪のメンバー入りも果たした。シーズン終盤はゴールを挙げられなかったが、卓越した技術でチャンスは作った。FC東京へのレンタル移籍期間が終わりを迎えることになり、その去就が大いに注目される。 東京Vのキャプテンを務めるMF森田晃樹も、初のJ1の舞台で実力を証明した選手の1人だ。シーズン途中に負傷離脱する時期もあったが、味方のパスを引き出す絶妙なポジショニングと相手にボールを奪われない高いテクニック、そして戦う姿勢を示し続けて16年ぶりにJ1の舞台に戻った古豪をけん引し続けた。 もう一人は、北海道コンサドーレ札幌のMF近藤友喜だ。負傷者が続出したチームのなかで、リーグ戦29試合に出場して5得点を記録。個人的には2年連続で降格という苦しさを味わい、最終節では涙を流したが、切れ味鋭いドリブルで攻撃の先鋒を担った。 FWには惜しくも2位となったサンフレッチェ広島のFW加藤陸次樹を挙げたい。シーズン37節に出場してJ1ではキャリアハイとなる9得点を記録。FW大橋祐紀がシーズン途中にイングランド2部ブラックバーンへ移籍するなど、前線でコンビを組む選手が変わる中で、特にシーズン後半戦には勝負強さを見せて優勝争いを盛り上げた。来季は今年、惜しくも届かなかった2桁ゴールを達成したい。 最後にシーズン途中に加入して、15試合出場11得点を挙げて降格圏にいた京都を14位に押し上げたFWラファエル・エリアスの名前も入れておきたい。残念ながら出場試合数が優秀選手の選考条件である17試合に届かなかったものの、この条件がなければ優秀選手に間違いなく選ばれていた存在だ。ブラジルの名門クルゼイロからレンタル移籍で加入しているストライカーが来季もJ1で戦うことになれば、有力な得点王候補と見られるだろう。
FOOTBALL ZONE編集部