「いっそ高市新党を」の声に石破総理の「青い鳥は外にはいない」の見解
自民党の魅力とは
この一連の行動を批判的に見る方がいることは承知していますが、私自身の主張は初当選の時からさほど変わっていません。憲法改正、集団的自衛権の全面的行使を可能とすること、地方分権を推進すること。そして2世やタレントでなくても国会議員を目指せるような環境を実現すること。 その後、自民党は再び憲法改正を目指す姿勢を明確にしました。そして、その他の政策でももっとも私の主張と合致するのが自民党なのです。 また、イデオロギー政党ではなく実に日本的な存在である点も自民党の魅力の一つです。原理原則に縛られない、良く言えば融通無碍(ゆうずうむげ)な政党です。 イデオロギーを至上のものとしている人の目にはともすればいい加減に映るかもしれませんが、この自民党の現実的なところが多くの日本人の感性に合っているのではないか、と私は思っています。 そんなわけで「新党を作れ」や「党を出て行け」といったご意見に従うことはできないのです。 *** かくして冷遇されながらも自民党に残った石破氏は、総裁選でまさかの勝利を成し遂げる。この本人の文章で興味深いのは、若き日の石破氏も党から「公認」をもらえずに選挙に臨んだ経験があるという点だ。そこでトップ当選を果たしたのちに自民党に戻っている。この時の経験は、今回の「裏金議員非公認」の決断に影響しただろうか。 高市氏の“思い切った行動”に期待を寄せる人は少なくない。しかしそれが高市氏のため、さらには国家のためなのか、単に利用しようとしているのか、あるいは「けんか」を面白がっているだけなのか、そのあたりも高市氏は見極める必要がありそうだ。
デイリー新潮編集部
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