「森保監督を喜ばせたのはゴールを決めた面々ではありません」 サッカーW杯アジア最終予選「イチバンの収穫」とは
サッカーW杯アジア最終予選の火ぶたが切られた。 【写真をみる】中国戦で7得点を決めた面々ではなく……「森保監督を喜ばせた」選手とは?
われらが日本代表は、過去2大会とも黒星スタートとつまずいていたが、今月5日、埼玉スタジアムでの中国戦は7-0で圧勝した。 開始早々の前半12分に遠藤航がヘディングシュート。47分には三笘薫が2点目を決めた。後半は、南野拓実が7分、13分に連発したのを皮切りに、代表復帰した伊東純也、さらには前田大然、久保建英とゴールラッシュに沸いた。
森保監督がひそかに注目
しかし、さるサッカーライターによると、 「森保監督を喜ばせたのは、彼らゴールを決めた面々ではありませんでした」 たしかに、格下をボコボコにして喜んでいては名将の名が廃(すた)る。いったい森保監督はどの選手に目を細めていたのだろうか。 「弱冠20歳のディフェンダー(DF)、高井幸大(こうた)です」 横浜市出身の高井は、川崎フロンターレの下部組織を経て、高校2年次に飛び級でトップチームとプロ契約を結んだ。 代表でも飛び級を果たし、今春のU-23アジアカップに出場。パリ五輪もレギュラーとして存在感を示した。 「そのパリ五輪出場メンバーで森保監督がひそかに注目していたのが、エースストライカーの細谷真大でも主将の藤田譲瑠チマでもなく、高井でした」
「彼がレギュラーに定着すれば、今後10年は安泰」
この度はA代表に初選出。試合後半26分にはピッチに立った。既に趨勢は決しており、経験を積ませるための起用と思われる。得点は挙げていないが、 「身長192センチの恵まれた体格ながらスピードが持ち味。パスは正確で、1対1も強く、ラインの上げ下げも巧み、と申し分ない」 彼は、DFの中でもセンターバック(CB)が本職だというのだが、 「今の日本はCBが手薄なんです。頼れるのはボランチもできる板倉くらいで、冨安や伊藤洋は故障がち。谷口はもう33歳だし、町田は足元が不安。しかも、いま森保監督は、CBの枚数を増やすフォーメーションを試みているので、高井にとっては大きなチャンス。日本にとっても、若い彼がレギュラーに定着すれば、今後10年は安泰です」 「週刊新潮」2024年9月19日号 掲載
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