「2024年問題」ドライバー不足を救う驚きの仕組み…フィジカルインターネットは物流危機を解決するか
三井不動産では、日鉄興和不動産と共同開発した物流施設「MFLP-LOGIFRONT東京板橋」内に、ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド(DF)」を10月2日に開設した。 物流施設内にDFを設置したのは、ドローン物流の拠点となる「ドローンポート」の実用化を目指しているからだ。施設の運営は、無人航空機(UAS)と次世代移動体システム(AMS)の産業・市場の育成を目指す日本UAS産業振興協議会と、ドローンベンチャーのブルーイノベーションが担うが、「DF開設で最も期待しているのは、ドローンポートの開発が進むこと」(ブルーイノベーションの熊田貴之社長)と述べ、竣工式ではトヨタ自動車がハードウェアを開発したドローンポートによるデモが実施されていた。
【2024年10月15日13時30分追記】上記の記述を一部修正しました。 「MFLP-LOGIFRONT東京板橋」の目の前には新河岸川が流れており、荒川にもつながっている。現時点では河川の上空をドローンが飛行する許可は得られていないが、国はドローン物流の飛行ルートとして河川上空を活用する構想を打ち出している。将来的には河川沿いにドローンポートが設置され、物流施設はドローン物流の「結節点」の機能も果たすことになるだろう。
ちなみに、2024年4月に三井不動産が中心になって開発されることになった東京・中央区の「築地地区まちづくり事業」でもドローンタクシーのポートを設置する計画だが、この事業にはトヨタ不動産が事業者として参画している。トヨタグループでは、ドローンポートの開発にかなり力を入れているようだ。 ■標準化が苦手な日本はどうしていくのか 今年9月に東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2024」の会場で、筆者はフィジカルインターネット(PI)の将来性について出展者に意見を聞いて回った。2年前に取材した時にはPIについて質問しても「知らない」と答える関係者がほとんどだったが、物流業界にもかなり浸透してきた印象だった。