〝廃棄カプセル〟イベント盛況 整理券は即完売 人気の秘密 企画者が語る「うそ偽りない」本音
廃棄カプセルのリサイクルや、アップサイクルの方法は現在、各所で試行されています。工夫を凝らした取り組みが散見される中、「アート」との融合をはかろうとイベントの開催を重ねる企業があります。イベント参加者が得ているものとは――。ガチャガチャ評論家のおまつさんが取材しました。 【画像】これが「廃棄」される運命だった?! 愛らしいネコさんたち
カプセルに新たな価値
ガチャガチャ業界では、毎月500以上の商品が発売され、目まぐるしく商品が入れ替わります。回転数が速い中、リサイクルの視点で見ていくと、メーカーは商品をカプセルに入れず、 工夫したカプセルレス商品を作ったり、サステナブルの面で新規参入のメーカーがカプセルを段ボールや紙製のカプセルを手がけたりしています。 業界大手のバンダイは2006年からガシャポンのカプセルの回収・リサイクルを実施しているほか、ガチャガチャ専門店もカプセルの回収ボックスを設置しています。このカプセルの回収率は年々上がっており、年間約30トン以上のカプセルが集まっています。このカプセルに着目したのが、カプセルアートです。 株式会社「懐中電灯」の共同代表、黒澤篤さんはカプセルアート事業を2022年に立ち上げました。カプセルアートとは、廃棄カプセルとアートを融合させた、誰もが平等に楽しめるアップサイクルアートです。 具体的には、カプセルを重ね合わせてネコをはじめ、ペンギン、イヌ、虫、カメなどの動物などを作っています。また子どもたちが書いた絵にカプセルを貼り付けるなど、カプセルアートは自由度が高く、「誰もがアートを楽しめることにこだわりがあり、作る際は、カプセルと、ほぼ100円ショップで揃うもので作れるようにしてるんです」(黒澤さん)。 使用後のカプセルを回収し、環境への負担を最小限にすることで、アップサイクルアートとしてカプセルに新たな価値を生み出しています。 このアートを通じて、黒澤さんは子どもをはじめ、障がいのある方や家族の介護などで子どもの頃からケアの担い手となっているヤングケアラーに、生きがいややりがいを発見してもらい、笑顔になってサステナブルを学べる居場所づくりを支援しています。