〝廃棄カプセル〟イベント盛況 整理券は即完売 人気の秘密 企画者が語る「うそ偽りない」本音
「アートを作っているときの空間が良すぎて…」
一方で、黒澤さんはカプセルアートのマネタイズの難しさに直面します。事業継続のためにも、収益を生み出すことが重要だからです。 しかし、二つのイベント後に、突然一つの問い合わせがきたそうです。商業施設のららぽーと名古屋みなとアクルスからイベントの依頼があったのです。 それが、カプセルアートのターニングポイントになりました。このイベントを機に、リサイクルやSDGsをテーマにして、商業施設でワークショップの開催が続き、今ではイベントの整理券を配布すると、速攻で完売するまでになりました。 カプセルアートは2022年からスタートして以来、福祉施設をはじめ、学童、地域施設を中心にサステナブルやアップサイクルなど、子どもたちが自発的に遊びながら学べるプログラムで展開し、2年間で39回開催し、述べ2500人がカプセルアートを体験することになりました。 黒澤さんに多くのイベントを開催できるモチベーションについて尋ねると、「毎回開催するたびに多くの気づきがあります。子どもたちは個性豊かで一生懸命にカプセルアートを作ります。私達は子どもたちを褒めまくります。子どもたちもすごい喜んでくれ、参加した親も『もう本当楽しかったです』と言われ、こんな面白いことないよねっていう繰り返しです」。 「そして、これ嘘偽りないですけど、子どもたちとカプセルアートを作っているときの空間、この空間が良すぎて、笑顔と楽しさでいっぱいになります」と教えてくれました。
ガチャガチャと福祉は結びつく
今後のカプセルアートについて、黒澤さんは「『何か』で繋がるということが一番大事です。私達はカプセルアートで繋がることを大事にし、老若男女を問わず、いろいろな人と繋がっていくことを目指していきます。そのためにも、カプセルアートに賛同してくれる企業をたくさん作りたいですね。カプセルアーティストに、一人でも多くの人になってもらいたい」と教えくれました。 黒澤さんのお話を聞く前は、ガチャガチャと福祉はなかなか結びつかないと思っていました。しかし、ガチャガチャと福祉は結びつくんだということに気づかされました。 カプセルアートは子どもたちを笑顔にしているだけではなく、黒澤さん自身も笑顔にさせていると感じます。なぜなら、黒澤さんがカプセルアートについて話しをしているとき、本当に楽しそうに、そしてワクワクしながら話している姿がとても印象的だったからです。カプセルアートを通じて黒澤さんの挑戦は続きます。 ※カプセルアートは、株式会社「懐中電灯」の商標登録です。 ◇ この連載は、20年以上業界を取材しトレンドをチェックしているおまつさんが注目するガチャガチャを紹介していきます。 ◇ ガチャガチャ評論家・おまつ(@gashaponmani) ガチャガチャ業界や商品などをSNSで発信中。著書に「ガチャポンのアイディアノートーなんでこれつくったの?ー」(オークラ出版)。テレビやラジオなどのメディアへの出演や素材提供も多数ある。