心臓を直撃する食べ物は…アレ!心臓にいい食べ物・悪い食べ物とは?【40代・50代、心不全パンデミックに要注意!⑥】
「オメガ3系の中でも、特に心臓や血管の健康に重要なのがEPAです。EPAはイワシ、サバ、アジなどの魚に豊富に含まれ、生で食べるとより効率的に摂取できます。加熱する場合は、焼き魚には表面に小麦粉をまぶして焼いたり、煮魚は水分少なめの薄味にして煮汁ごと食べるように工夫すると、加熱による損失を減らせます。また、サバ缶は魚の栄養を丸ごと摂取できる優れた食品です。 1日3食のうち2食に魚料理を取り入れるのがおすすめです」 もうひとつ心臓力を高める栄養素に食物繊維がある。食物繊維は動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを吸着して排泄したり、糖質の吸収を穏やかにして、心臓や血管を健康に保ち、心不全の予防に役立つ。 「食物繊維はキャベツや白菜などの葉野菜、緑黄色野菜のほか、豆類や海藻類、りんごやバナナなどの果物にも含まれています。特ににんじんやかぼちゃ、ブロッコリーにはβ-カロテンが豊富に含まれ、これらの野菜は抗酸化作用を持っています。抗酸化作用は細胞の酸化を防ぎ、動脈硬化やがんの予防に効果があります。また、りんごなどの果物は皮付きで食べると、さらに多くの食物繊維を摂取することができます」
野菜と果物の量の目安は「1日5皿=5サービング」!
これらの野菜や果物の1日の推奨摂取量は野菜350g以上、果物200g程度だ。 「この量の目安になるのが『サービング』という考えです。大皿に盛られた野菜が2サービング、小鉢が1サービングと数え、1日に5サービング食べるとだいたい350gになります。 果物の場合、100gはバナナ1本、りんご半分、梨半分、みかん1個に相当し、1日200gを目安にとるようにしてください」 野菜も果物も1日量で考えると、実践しやすくなる。こうした日々の積み重ねが、心臓力を高める手助けになるのだ。
【教えてくれたのは】 大島一太さん 大島医院院長。東京医科大学循環器内科学分野・同大学八王子医療センター循環器内科兼任講師、日本看護協会看護研修学校非常勤講師、日本循環器学会心不全療養指導士実務部委員、日本心臓病学会特別正会員・心臓病上級臨床医など併任。生活習慣病から重症心臓病まで、地域密着型の開業医と大学病院の専門外来を兼務し、予防医学から専門性の高い心臓病治療までを広く実践しているスペシャリスト。『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)など著書多数。 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子