【高校野球】東洋大姫路は阪下漣投手が90球完封で17年ぶりの準決勝進出 市和歌山は17安打10得点の猛攻でコールド勝ち ベスト4出揃う【秋季近畿大会】
来春3月に行われる第97回選抜高校野球大会。その出場校を選考するうえで重要な参考材料となる秋季近畿大会・準々決勝の残り3試合が10月27日に行われ、ベスト4が出揃いました。 【画像を見る】レフトへのホームランを放つなど打線を引っ張った市和歌山・川邉謙信選手
東洋大姫路vs大阪学院大高
センバツ大会の近畿の出場枠は6校(近畿大会の優勝校が明治神宮大会に優勝すれば7校)。勝利すれば甲子園がぐっと近づく重要なベスト8の激突だけに、会場となった兵庫県のほっともっとフィールド神戸には、早朝から大勢の観客がつめかけました。 第1試合は、1回戦で打線が爆発して京都の龍谷大平安に快勝した東洋大姫路と、粘る京都の北稜を最後の最後で振り切った大阪学院大高の対戦。序盤から、東洋大姫路・阪下漣投手、大阪学院大高・下條晃大投手が持ち味を発揮して緊迫した展開となります。 先制したのは東洋大姫路。2回、ヒットで出塁した5番・高畑知季選手が下條投手のけん制悪送球で2塁に進むと、この試合でスタメンに抜擢された6番・白鳥翔哉真選手が期待に応えてセンターへのタイムリーヒットを放ち、1点をリードします。 一方、阪下投手の前に完全に抑え込まれていた大阪学院大高も5回裏、先頭の4番・樋爪信選手がツーベースヒットで出塁。その後、1アウト3塁とチャンスをひろげて得点を狙います。しかし、ピンチになると一段とギアがあがる阪下投手の前に、後続が打ち取られて得点につなげることができません。 逆に東洋大姫路は6回表、白鳥選手のツーベースを足掛かりに1アウト3塁とチャンスをつくると、8番・渡邊裕太選手が鮮やかなセーフティースクイズを決めて2対0とリードを広げると、さらに1番・渡邊拓雲選手、2番・伏見翔一選手の連続タイムリーで2点を追加し、好投手・下條投手から4点を奪いました。
東洋大姫路の阪下漣投手が緩急を使い分け90球完封 チームをベスト4に導く
4点のリードでさらにピッチングに余裕が出てきた阪下投手は、打ち気にはやる大阪学院大高打線のタイミングを上手く外す投球で、6回、7回、8回とつけ入るスキを与えません。 それでも9回、大阪学院大高も勝利への執念を見せます。1アウトから連続ヒットでランナー1塁2塁としてバッターボックスには3番・鶴丸巧磨選手が入ります。しかし、ファーストゴロに倒れて2アウト。続く4番・樋爪選手も打ち散られてゲームセット。大阪勢最後の砦として粘りを見せた大阪学院大高でしたが、東洋大姫路・阪下投手の前に無得点で敗れ去りました。 阪下投手は、緩急を交えた頭脳的なピッチングで、投球数を90球に抑えて無四球での完封勝ち。チームを17年ぶりの近畿大会ベスト4に導きました。 大阪学院大高の辻盛英一監督は「1回戦で左の軟投派の投手に苦しんだ分、速球派の阪下投手の方が対応しやすいと思っていたが、阪下投手の投球術にはまってしまった」と振り返りました。それでも「1年生中心のチームだが、この秋本当に大きく成長してくれた。この冬もっともっと鍛えて出直したい」と早くも次を見据えていました。