中日、今季0勝だった甲子園 ドラフト1位・金丸夢斗、「僕からしたら本拠地と言っていいぐらい地元」ルーキーイヤーに白星を誓う
中日のドラフト1位・金丸夢斗投手(21)=関大=が17日、ルーキーイヤーとなる来季に甲子園球場で白星を挙げることを誓った。甲子園は今季の中日にとって1勝もできなかった”鬼門”。阪神のお膝元で生まれ育った左腕が聖地で竜を勝利に導き、苦手を払しょくする。 竜の救世主となるべく虎の前に立ちはだかる。入団会見や施設見学などの球団行事を終え、名古屋から地元に戻ってきた金丸。 ◆金丸夢斗ら中日ルーキートリオ、緊張のラジオ生出演【写真複数】 気心の知れた関大硬式野球部の仲間や大学関係者ら450人が集まった壮行会の後、ルーキーイヤーの来季に地元の甲子園で白星を挙げることを誓った。 「僕からしたら本拠地と言っていいぐらい地元。めちゃくちゃアウェーになるとは思いますけど、そういうのは関係なく抑えて勝ちたいです」 今季は甲子園で10敗1分け。とにかく中日は勝てなかった。1948年のフランチャイズ制以降、初めて甲子園でシーズン未勝利という屈辱。低迷の一因になった。毎試合スタンドを埋め尽くした虎党たちの大歓喜の声が、竜党の耳にはこびりついている。 ただ生粋の関西人に”敵地”の感覚はない。生まれは神戸市北区、高校も同市内にある神港橘だった。大阪にキャンパスと硬式野球部のグラウンドがある関大には自宅から電車で通ってきた。甲子園球場にも今年は5度も足を運んでいる。 高校時代は春夏ともに甲子園への出場経験はなく、最後のチャンスだった3年夏はコロナ禍で大会自体が中止。あこがれの舞台に高校で立つことはできなかった。それでも関大2年時には春季リーグ戦の関学大との「関関戦」で初めて甲子園のマウンドに立った。それから4年時まで3年連続で甲子園で登板し、3試合で防御率1・26と好成績を残している。「観客席が低い独特な球場ですけど投げやすかった」と好感触も得たようだ。 甲子園のマウンドで投げる姿をどうしても見せたい人がいる。父・雄一さん(48)はボランティアでアマチュア野球の審判員を務め、甲子園大会の試合も何度もジャッジしている。高校時代に選手として甲子園の土を踏めなかったが、審判員として聖地に立つ夢をかなえた父。その経緯を間近で見てきた金丸にとって、自身が甲子園で投げる姿を父に見せることは夢になっていた。
中日スポーツ