告示翌日に次女を出産→トップ当選→3人目を出産…女性議員の“子育てとの両立”と“ハラスメント対策”を考える
東京都北区議会議員の佐藤古都さん(36)。およそ2カ月前、3人目の赤ちゃん、楓くんを出産したばかりで日常生活はバタバタだ。 【映像】性的・暴力的な嫌がらせは男性の3倍以上! 女性政治家へのハラスメントの実態 実は古都さん、政治活動をしながらの出産は初めてではない。 2023年、区議選の告示日。古都さんは出産直前にもかかわらず、選挙カーの前でマイクを握っていた。そしてこの翌日の選挙戦2日目に、次女を出産。選挙活動がほとんどできなかったがトップ当選を果たした。 前回は選挙戦真っ只中の出産。今回は現役議員として活動する中での出産となった。 多忙を極める議員の仕事。対策はあるのか? 出産前後は「分身ロボ」などを駆使してリモートワークも取り入れていた古都さん。しかし、北区では議会のネット中継がなく、議事録も3カ月後に公開というハードルを実感したという。だが、議員活動と子育ての両立を目指す古都さんの動きが議会を少しずつ変えており、オンラインやリモートワークの促進に賛成する声も増えている。 そんな古都さんは「次に続く女性が挑戦しやすい環境になればいい」と話す。 女性の政治参加について、村上世彰氏の次女であり村上財団のパブリックリーダー塾を立ち上げた村上フレンツェル玲氏は「塾を始める前から女性が議会に増える意味をリサーチしていたが、データにおいても女性の方が生活に近い政策を進めていく傾向があるとわかっている。議会に多様性が出ること自体も非常にいいことであり、古都さんの挑戦のお陰で日本が一つ進んだ」と述べた。 さらに村上氏は政治参加の“男女差”について「男性が政治家になる場合、女性が専業主婦として子どもの面倒を見て、男性は選挙に没頭できるが、女性の場合は難しい。だが、私たちの世代を見ると共働きが当たり前になってる中、政治だけ変わってないのはやっぱりおかしく、その声が政治に上がってこない」と懸念を示した。
新人かつ無所属なら女性の方が2倍当選率が高い?
統一地方選挙の当選者に占める女性の割合は上昇傾向にあるが、まだ低水準だ。一方で候補者と当選者の割合を見ると「女性が選挙に強いこと」がわかる。 これに対し村上氏は「全体で見るとどうしても現職議員は次も当選しやすく、『どこの政党に所属しているか』で当選率が変わる実情もある。とはいえ、市区町村議会で新人かつ無所属の方々を男女で比較した時に、実は女性の方が2倍程度当選率が高いことが分かっている」と説明した。