“おとりの荷物”で逮捕者も…『置き配』普及で盗難や紛失等が年々増加 専門家が推奨する「アピール防犯」とは
東京都消費生活総合センターによると今回起きた事件のような置き配の盗難や紛失などに関わる相談件数は2019年度が38件でした。
しかし、2022年度の途中までで105件と、盗難の相談は年々増加しているということです。
■弁護士に聞いた「置き配が盗まれた場合の責任どこに」
置き配を盗まれてしまった場合、責任はどうなるのでしょうか。牧野太郎弁護士によると基本は「利用者の自己責任」だといいます。 注文の時点で置き配を指定している場合、その指定箇所に置いたところで、出荷先や配送業者の義務を果たしていることになるため、その後の責任は負わないということです。
ただ、無断で置き配するなど不備があった場合は、配送業者が責任を負うこともあるとしています。 また、犯人が見つかった場合は、犯人は逮捕されますが、荷物の中身や代金が弁済されるわけではありません。警察は民事不介入のため、被害者が直接加害者に交渉をするか、損害賠償請求の訴訟を起こさなければなりません。 加害者から「お金を支払うので被害届を取り下げてほしい」と示談の提示があることもあるということです。
■置き配利用する場合の注意点 専門家「意識が高い住宅」という”アピール防犯“を推奨
置き配を利用する際に注意すべき点を日本防犯学校の学長で、防犯ジャーナリストの梅本正行さんに聞きました。 日本防犯学校の梅本正行学長: 「宅配ボックスなら比較的、まあ安全性は高い。(目に見える形で)置き配になると、相手がその気になれば簡単に取ることはできる。袋状であれば 刃物で切れる。中の物だけ盗っていく」 また、個人情報についての心配も指摘します。 梅本学長: 「伝票はフルネームから電話番号まで書いてある。これは怖いですよ」 伝票には個人情報が多く記載されていて、置き配が盗まれるのは物をとられるだけでは済まない可能性があるといいます。
梅本学長は宅配ボックスについても「不在票から情報を取って、盗った事件はいっぱいあります」としていて、荷物の不在票に暗証番号が書かれている場合があり、これをポストの裏から開けたり、粘着性の高い棒で差し込んで盗み出し宅配ボックスの荷物がとられてしまった例があるといいます。