ゼレンスキー氏が語った戦争の終わり方、そして日本への感謝 千日超えたウクライナ侵攻、その行方は(後編)
―ゼレンスキー氏は自らを広島に招いた岸田前首相との関係に言及し、石破首相との関係構築にも意欲を見せる。 「(岸田前)首相と私は素晴らしい関係だった。新しい(石破茂)首相と新政権とも、同様に親密な関係を築くことができると確信している。近い将来の会談に向けて、われわれのチームが協力することを期待している。 日本が先進7カ国(G7)の議長国を務めた際、非常に重要だったのは、ウクライナがG7の国々と対等に発言する機会を与えてくれたことだ。支援に感謝し、歴史的関係が続くことを期待している」 ゼレンスキー氏の日本への信頼は厚い。憲法上の制約から軍事支援には高いハードルがある日本は、エネルギー関連施設の修復や保全、地雷除去などで力を発揮してきた。ゼレンスキー氏は、巨額の軍事支援を供与している米国やドイツと並んで日本を「五大支援国」と呼び、謝意を強調した。 ▽「平和の公式」の舞台裏、気になるトランプ氏の出方
―ウクライナは自らの和平案「平和の公式」に基づいた首脳級会合を2024年6月、スイス中部で開催した。100の国・機関が参加したが、ロシアは招待されなかった。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国からは、ロシアが不在の会議では戦争終結の道筋を話し合えないとして、第2回会合にはロシアを招待するよう求めている。 「われわれは一貫性を持って行動しようとしている。(2024年6月にスイスで開催された)初めての世界平和サミットの後(ウクライナ提唱の和平案)「平和の公式」の各ポイントに特化した関連会議を開催し、2024年11月末までに詳細な文書を準備することで合意した。数十の国や、50カ国以上が参加する九つの会議を開催した。文書は完成し、詳細なものになっている。私が繰り返し言っているように、ロシアはあらゆる(妨害)手段を講じてくる。平和の公式や平和サミットの実現を阻止するため、各方面からさまざまな計画を実行するだろう。