最高峰の能力は一層「盤石」 ランドローバー・ディフェンダー 90へ試乗 オンとオフの高度な二刀流!
高級感と堅牢性が巧妙にバランス
インテリアは、高級感と堅牢性を巧妙にバランス。あえて部分的に露出したボディ塗装やボルト、ハンドル、メーター類などが活かされ、現代的にデザインされている。ご先祖と異なり、製造品質は非常に高い。 レンジローバーやアウディQ7、ボルボXC90以上の豪華さとはいえないが、質実剛健なトヨタ・ランドクルーザー 250には勝る。全幅が1996mmもあるから、車内は広々。オプションで1列目を3名掛けにしても、そこまで窮屈さはない。 運転姿勢は直立気味で、ステアリングホイールは大きく、前方視界は広い。後方は、テールゲートの形状によって死角が小さくないが。 2列目も、シートが大きく快適。足元にも頭上にも、空間的な余裕はたっぷり。荷室も、開口部はやや狭めだが、110以降なら容量に不満はないだろう。130では、2列目が独立した2名掛けになり、3名掛けの3列目へのアクセス性が保たれる。 2025年仕様としては、ヒーター/クーラー内臓の新シートが登場。内装の選択肢にも幅が生まれた。 インフォテインメント・システムも新世代へアップデート。タッチモニターの反応は良く、スマートフォンとの連携にも対応する。エアコンは従来的なハードスイッチで操作でき、ステアリングホイール上にも頻繁に利用する機能のボタンが並ぶ。
オンロードとオフロードの能力を高次元に両立
それでは公道へ出てみよう。D300との交代で登場したのが、今回試乗したマイルド・ハイブリッドのD350。直6ディーゼルはモデル定番のユニットといえ、改良を受け回転時の滑らかさが増している。オンロードでもオフロードでも、まったく力不足感はない。 燃費も比較的良好。現実的に、平均で11.0km/L位は狙えるだろう。 プラグイン・ハイブリッドのP400eも、英国では支持率が高い。2.0Lガソリンターボに駆動用モーターが組み合わされ、システム総合での最高出力は404ps。15.4kWhの駆動用バッテリーを積み、現実的に32km前後を電気だけで走行できる。 V8ツインターボは5.0Lの排気量を活かし、期待通りのたくましさと豊かさ、音響的な楽しさを与える。ただし車重が影響し、猛烈に速いわけではない。燃費は7.0km/Lに届けば御の字だろう。 乗り心地や操縦性は、このクラスのトップ。同社の技術者は、オリジナルのディフェンダーもベンチマークの1つに据えたとしているが、従来の弱点はすべて克服。オンロードとオフロードでの能力を高次元に両立させている。 ステアリングはスムーズに反応し、ロックトゥロックは2.7回転と遅すぎず速すぎず。アクセルペダルも扱いやすく、必要なパワーをすぐに引き出せる。スポーティではないが、姿勢制御と乗り心地のバランスは高い。