最高峰の能力は一層「盤石」 ランドローバー・ディフェンダー 90へ試乗 オンとオフの高度な二刀流!
操る楽しさを伴う 悪路の走破性はライバル以上
高めの速度域ではボディロールを隠さないものの、充分に抑制され車内は平安に保たれる。オールテレーンタイヤを履いていても、このクラスとしては一体感があり、操る楽しさを伴うといえる。 市街地ではボディがかさばりそうだが、高めの視点で想像以上に扱いやすい。四角いカタチで、四隅の位置も把握しやすい。ホイールベースの短い90の方が、やはり身のこなしは快活。重すぎることもなく、直感的に操縦できる。 悪路の走破性も間違いない。テレインレスポンス・システムが、スロットル・レスポンスやスタビリティ・コントロールを制御するが、モードを問わず安楽に悪路を処理できる。カメラや水深検出機能などが実装され、身を乗り出して下を確かめる必要もない。 ボディと地面が接する角度は、フロントのアプローチで38度。ホイールベース間のブレークオーバーは28度、リアのデパーチャーで40度もある。 エアスプリングを伸ばすと、最低地上高は291mmへ高まる。いずれもライバル以上といえ、ディフェンダーは、同社の主張どおり本気のオフローダーだ。 英国価格は、ベースグレードの110で6万ポンド(約1170万円)を切る。ただし、装備は基本的に充実しているが、性能と価格はある程度比例する。
世界最高峰の能力はさらに盤石に
改めてディフェンダーへ試乗したが、オンロードでもオフロードでも、弱点は見つからなかったと表現できる。特に過酷な悪路では、そんな環境を好まない人を想定したかのように、非常に安楽。加えて、オンロードでの妥協もほぼない。 森林の中を駆け回ることも、広大な農地の管理に奔走することも、学校の送り迎えで市街地を往復することも、当たり前のようにこなせる。都心での重要な会議のために、高速道路を長時間巡航することも。 確かに、価格はお高めではある。だが今回のアップデートで、世界最高峰の能力がさらに盤石になったことは間違いないだろう。 ◯:シリアスなオフロードでも出色の走破性 実用的で上質な車内空間 見事なオンロード性能 説得力の高い操縦性 △:長いボディは大きく重い V8エンジンの燃費の悪さ やや狭いテールゲート オプションを選び出すとすぐに高価になる
ランドローバー・ディフェンダー 90 D350 Xダイナミック SE(英国仕様)のスペック
英国価格:8万3220ポンド(約1623万円) 全長:4323mm 全幅:1996mm 全高:1974mm 最高速度:191km/h 0-100km/h加速:6.2秒 燃費:11.9km/L CO2排出量:224g/km 車両重量:2241kg パワートレイン:直列6気筒2997cc ターボチャージャー+ISG 使用燃料:軽油 最高出力:350ps/4000rpm 最大トルク:71.2kg-m/1500-3000rpm ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)
マット・ソーンダース(執筆) マット・プライヤー(執筆) 中嶋健治(翻訳)