小さな町に年間350万人 !?“未来型”地方リゾート「VISON」の戦略
〇絶品の秘密3 ~企業が集結!未来型リゾートを作れ 「VISON」の滞在客に大人気の施設「本草湯」。温泉ではないが、そのお湯は、客を癒してくれる効果がある薬草が使われている薬草湯なのだ。5日ごとに薬草のブレンドが変わり、実に72種類もある。敷地内の「本草研究所」でその調合を行っている。「『ロート製薬』と三重大学が共同で研究しています。生薬や薬草をベースとした健康学です」(「ロート製薬」瀬木英俊さん)。 地元に工場を持つロート製薬は生薬のビジネスに力を入れていることもあり、「VISON」を研究拠点の一つにしている。 「お客様の声を直接聞くことができる。ここから新しい事業や製品のアイデアが出たらいいなと思っています」(瀬木さん) 一方、敷地内の移動の足となっている自動運転バスは、ソフトバンクの子会社が実証実験として走らせているもの。 「スタッフなしでの運行に挑戦する。『VISONで使われているものをうちの町にも入れたい』となれば、絶対普及すると思います」(「ボードリー」佐治友基社長) 35万坪の全てが私有地の「VISON」ではさまざまな未来のサービスを試すことができる。 「(公的には)特区にならないとチャレンジできず、規制緩和もないが、私有地なので、ここで何かしようと約20社が集まってくれています」(立花) 例えば「ソニー」の新しいサービス、音響体験アプリ「ロケトーン」の「音で巡る、VISON」では、散策の楽しさを演出する音楽を聴きながら、施設内の情報も得られる。ここでのアンケート結果を品質向上に生かすという。 「お客さんがたくさんいる環境に入り込んで生の声が聞けるのは、実証実験する場としてありがたいです」(「ソニー」イノベーション推進室・古賀康之さん) 今までにない斬新なリゾートとして、「VISON」には岸田総理(2024年7月当時)を始め、膨大な数の視察が押し寄せている。