クーグラーＦＲＢ理事

（ブルームバーグ）： クーグラー米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）理事は８日、雇用の伸びや経済成長の「望ましくない」減速を避ける「バランスの取れたアプローチ」を伴いつつ、インフレ率を２％の目標に回帰させることに金融当局として引き続き重点を置くべきだとの見解を示した。

クーグラー理事は欧州中央銀行（ＥＣＢ）がフランクフルトで開催中の金融政策会議での講演テキストで、「インフレ率を２％に戻すことに引き続き重点を置くべきだと考える一方で、連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の二つの責務のうち、最大限の雇用実現の面に注意をシフトすることも支持する」と語った。

さらに、ＦＯＭＣが先月17、18両日の会合で0.5ポイントの利下げを決めたことを「強く支持した」とも話した。パウエルＦＲＢ議長は大幅利下げについて、雇用者数の伸びが鈍化して物価上昇圧力が緩和したことで、力強い労働市場を守ることを意図したものだと説明している。

先月のＦＯＭＣ会合後に公表された最新の金利予測分布図（ドット・プロット）に基づけば、当局者は11月と12月の年内残り２回の会合で計0.5ポイントの追加利下げを見込んでいた。

クーグラー理事は「私の予想通り、インフレ面の進展が続けば」追加利下げを支持するとする一方で、幾つかのリスク要因を指摘した。

「ハリケーン『ヘリーン』や中東の地政学的イベントは米経済見通しに影響を及ぼす可能性があるため、その経済的影響を注視している」とクーグラー理事はコメントした。

その上で、「雇用への下振れリスクがエスカレートすれば、一段と急ピッチで政策を中立的スタンスに移行するのが適切かもしれない」との認識を表明した。インフレ鈍化の進展が失速すれば、利下げペースを落とすのが適切となる可能性があるとも話した。

原題：Fed’s Kugler Calls for ‘Balanced Approach’ to Future Rate Cuts（抜粋）

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