処方箋なしで入手可能に!アメリカ初の「市販の経口避妊薬(ピル)」が発売へ
誰もがアクセスしやすいように
ペリゴ社によると、アメリカで報告されている毎年610万件の妊娠のうち、ほぼ半数(45%)が意図しない妊娠であるとのこと。経口避妊薬を入手するにも、医療機関との受診日の調整や医療機関までのアクセス、アメリカにおける保険の加入状況による費用の問題などが、多くの人にとってハードルとなっている現状があります。 アメリカでは2022年7月に、女性が人工妊娠中絶を受ける権利は憲法で保障されるべきことだと決められていた「ロー対ウェイド事件」を覆す判決を連邦最高裁判所が下しました。それ以来、中絶の禁止は各州の方針に委ねられることになったことも受け、経口避妊薬の市販を求める声が広まっていました。 一方、市販されることに対してFDAの研究者からは、飲むべきでない人や10代の人がきちんと規定を理解した上で服用できるかについての懸念の声もありました。<NEWYORK POST>は、アメリカ産科婦人科学会は10代の人を含む、経口中絶薬の摂取を希望する人は適切にその判断ができることを研究結果が示していると述べた、と報じています。 処方箋なしで経口避妊薬を取り扱うことで、すでに薬局に並んでいるほかの避妊法よりも効果的な避妊法の選択肢が増え、幅広い年齢層の役に立てるはずだとペリゴ社は発信しました。 日本で経口避妊薬を入手するには、婦人科で受診をして処方してもらう方法に加えて、オンライン診療に対応したクリニックやサービスが増えています。月経困難症や子宮内膜症の治療を目的として服用する場合は保険が適用され、避妊や月経移動を目的とする場合は保険適用外での処方となります。 「緊急避妊薬」については、処方箋なしに必要とする人が適切に利用できる仕組みを検討するために、全国145カ所の薬局での試験販売が2023年11月に開始されました。