「すげぇ良いセンス!」大学の案内板が"万バズ" 地学の壮大なスケール1枚に 静岡大サークルが制作【SNS話題】
「地球の核まで6・4メガメートル(10の6乗)、月まで380メガメートル、宇宙の果てまで131ヨタメートル(10の24乗)…」。
1万6千件以上の「いいね」 制作への思いとは?
静岡市駿河区の静岡大に設置された〝案内板〟がSNS(交流サイト)で注目を集めている。一見すると来訪者に向けて構内を紹介しているだけに見えるが、キャンパスから地球内部までの距離や、観測可能な宇宙の果てまでの長さなど、壮大なスケールが記されている。X(旧ツイッター)では同大教員が「すげぇ良いセンス!」などと投稿し、1万6千件以上の「いいね」が集まるなど「万バズ」(広く話題が拡散)となった。
“地学オタク”のサークル「魅力、多くの人に伝わって」
看板を設けたのは同大のサークル「地学研究会」。極寒の富士山麓で天体観測をしたり、江戸時代の古文書に掲載された石を探しに行ったりする「地学オタクの集まり」(同会員)だ。 1967年に創設され、現在も学生や院生ら100人以上が所属する。案内板はサークルを紹介する立て看板が古くなったため、デザインを一新して作り直した。広大な宇宙の星々が集まる銀河のほか、地球を組成する岩石、地球表層を覆う対流圏など、地学のスケールを凝縮している。デザインは「地学の魅力が多くの人に伝わるように」と、親しみがある駅の看板をイメージした。
地学履修者の減少傾向に危機
幼少期から宇宙に魅せられてきたという制作者の森井風詩さん(23)=同区=は、高校の地学履修者が全国的に減少傾向にあることに危機感を感じている。近年多発する自然災害を念頭に「地球上で生きていく上で地学は必要な〝知〟。案内板が地学に興味を持つきっかけになれば」と期待を込めた。
クリアファイルも制作「大学代表するサークルに」
同会は看板のデザインを描いたクリアファイルも制作。大学祭などで販売していくという。第91代会長の福元健造さん(20)=同区=は「静大と言えば『地学研究会』と言ってもらえるサークルを目指したい」と意気込む。