人間が住める町ではないが… ハーンユニスに戻る元住民
ガザ、パレスチナ自治区、4月12日 (AP) ― イスラエル軍の撤退を受けて、かつてガザ地区第2の都市ハーンユニスに住んでいたパレスチナ人住民が、避難先のラファから少しずつではあるが戻り始めている。 しかし、その多くが半年に及ぶイスラエル軍の砲爆撃で破壊し尽くされた光景を目の当たりにして、驚かずにはいられなかった。 そのイスラエル軍部隊は4月7日にハーンユニスから撤退した。 そのラファに避難していた住民は、イスラエル軍の撤退の翌日から、徒歩やロバが引く荷車に乗ってハーンユニスに戻ってきた。 イスラエル軍の撤退で、自宅の様子を見て、残った所持品を回収する機会を得たわけだが、町は人が住める状態ではなく、元住民が再びここに戻ることは当分ないだろう。 「それでもテント暮らしよりはマシ」とガレキを片付けながら言う女性もいるが、ハーンユニスは最早人間が住める町ではない。 だが、住む家を失ったガザ地区住民の半分が押し込まれている最南端のラファに、イスラエルが計画通り侵攻すれば、ハーンユニスで起きたことが繰り返されることになるのは必定だ。 一方、ガザ地区を実効支配していたイスラム武装組織ハマスの最後の拠点だと主張するイスラエルは、ラファに侵攻してハマスを壊滅させない限り、10月7日に始まったこの戦争は終わらないと宣言している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)