先輩の指示通りに動けない…「女子トーク」にも溶けこめずに孤立した「発達障害グレーゾーン」の女性が自分らしく働けるまで
他人と違うことに自覚はあった
Iさんの場合は、中学生の頃から、自分が興味のあるITやAIのことを話すと、特に女子のグループは場が白けてしまうことが分かっていました。そのため、みんなが興味ありそうな話題についていこうと、必死だったそうです。 それでも雑談に近い女子トークでは、一体なにを目的に話しているのか分からずイライラしたり、就職活動の面接では自分のことを正直に話しすぎてしまうなど加減ができないことから、自分はどこか人と違うことに漠然と気づいていたということでした。 その後、グレーゾーンの件も含めたIさんの話を聞いた人事担当者は、会社側として新人のフォローができていない状態を謝罪し、女性グループと無理に一緒にいる必要はないこと、事務作業ではなくSE職として活躍してほしいと言ってくれました。 その後、SE職の先輩がOJTになるように調整してくれ、彼女は自分のやりたかった仕事や勉強に集中できるようになり、少しずつ自信を取り戻すことができたということです。 このように、グレーゾーンの人たちは、発達障害の特性を持ちながらも、社会に出るまで発見されないことが多く、どうして自分だけ上手くいかないのかと悩みながら職業生活を送っています。 特に女性の場合は、ADHDやASDの特性が、単にその人の個性のように見えてしまうことがあり、周りから誤解されるという悩みを抱えているケースもあるのです。 …つづく<仕事先の失敗で苦情連発…予定通りに行動できない「発達障害グレーゾーン」30代女性の「生きづらさ」>では、主に知られているのは、3つの発達障害の分類について解説しています。
舟木 彩乃(ストレスマネジメント専門家・公認心理師)