3歳長男に布団巻きつけ死なせた母親、千葉地裁が懲役3年判決…「衝動的犯行とは見られない」
長男(当時3歳)に布団を巻きつけ死亡させたとして、傷害致死罪に問われた千葉県我孫子市の無職女の被告(28)の裁判員裁判で、千葉地裁は25日、懲役3年(求刑・懲役6年)の判決を言い渡した。鎌倉正和裁判長は「被害者を布団で巻いた際に静かにさせることができたという経験から、他の方法を検討することなく危険な行為を選択した。非難に値する」と述べた。
判決によると、女は2022年2月4日午後11時10分頃~25分頃、我孫子市南新木のアパート室内で、長男に布団を巻いて放置し、嘔吐(おうと)物による窒息で死亡させた。
判決では、女は元夫から、家事や育児で十分に協力を得られなかったと認定。元夫が出会い系サイトを使っていることを知り、家事などの負担を強く感じるようになったとした。
事件前の21年11月頃、泣き声を聞いた近隣住民からの通報を受け、我孫子市の職員2人が女の家を訪問した。判決では、女が虐待を疑われていると受け止め、長男が泣きやまない時などに布団で巻くことを繰り返すようになったと認定した。
鎌倉裁判長は、強い負担感を覚えていたことは理解できるとしたうえで、「自らの力で状況を改善することができなかったわけではない。窒息死の危険性を認識していたわけでないにしても、布団で巻く行為が被害者の身体に負担をかけるものと認識していたはず」と非難した。
弁護側は執行猶予付きの判決を求めていたが、「精神的に追い詰められての衝動的な犯行とは見ることはできない」とした。