無印良品のバウムが「不揃い」な理由は? “揃ったバウム”も売っていますか?【元無印社員が解説】
衣服雑貨や食品、家具から家電までそろう日用品ブランド・無印良品。今回、寄せられたのが人気食品シリーズ「不揃いバウム」に関する質問です。 【500人に聞いた】好きな「不揃いバウム」ランキング! 無印良品店舗に務めていた、元社員が解説します。 (今回の質問) 不揃いバウムって何故不揃いなんですか? 揃ったバウムはどこで売ってる? (回答) バウムをつくる過程で、どうしても焼き色や形は不揃いになってしまうもの。おいしさは変わらないのに見た目から捨てられる……そんな「もったいない」をなくすため「不揃い」なものも含めて売ろうとしたのが「不揃いバウム」誕生のきっかけです。つまり、揃ったものもあれば「不揃い」なものも店頭にあります。 どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆無印良品のバウムが「不揃い」な理由は?
20年以上前から発売されている無印良品のスティック型のバウムクーヘン。商品名に「不揃い」がつくようになったのは、2017年以降とされています。 無印良品の基本となる考え方はブランド創生以来、大切に守られています。時代が変わっても、環境や社会に配慮した3つの視点である「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」が意識されているのです。 このなかでも、バウムと強く結びついているのが「工程の点検」の部分。商品の質に関係ない無駄な作業を省き、必要な工程だけ生かす考え方です。 かつて、焼き上げる際に形が崩れてしまう両端や焼きムラのある部分、表面の凸凹など、見た目が不揃いなものは弾かれていました。 さらなるコストダウンの打開策として、おいしさは変わらないのに見た目のために捨てられているバウムを端まで商品として生かしたのが「不揃いバウム」です。 いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの無印良品にも売上が低迷した時期がありました。当時「安かろう悪かろう」「無印の時代は終わった」など揶揄(やゆ)されたにもかかわらずV字回復。 皆に愛される無印良品のものづくりはこうした部分にも現れているのかもしれませんね。 ちなみに、無印良品のバウムは筒状のバウムクーヘンを棒状にした上で、さらにそれを横に等分してスティック状にしています。 そのため、焦げ目や色ムラが目立つものもあれば、一切ないきれいなものもあります。それらを区分せずに「不揃い」と「不揃いでない」が無印良品の店頭に並べられているのです。