月給10数万円の高知を選んだ藤川球児の男気に賞賛の声
レンジャーズを退団した藤川球児(34)が、独立リーグの四国アイランドリーグplusに所属している高知ファイティングドックスに入団することを1日、自身のブログで公表、高知もHP上で同時に入団を発表した。 2013年6月のトミー・ジョン手術によって野球観が変わったという藤川は、ブログにて「元気になったらとにかく投げる喜びを1番に感じられる場所で腕を振りたい。必要とされる場所で投げたい。そして家族と一緒に居たい。今は、元気に投げられるようになりました!」と語った上で「僕と妻の生まれ故郷の高知で、未来のスーパースターになるチャンスを持った子供達に僕が投げる姿を見てもらって今後の夢に繋げて貰いたい。僕が投げる事で喜んでくれる人達の顔が見たい。僕を応援してきてくれた人達、育ててくれた高知から野球人生を再スタートする事に決めました」と決意を綴った。 高知は、藤川にとっての生まれ故郷。高知商時代に甲子園出場、1998年にドラフト1位で阪神に指名されたが、奥さんも高知商時代から付き合っていた高知の人で2人にとって縁のある土地だ。高知ファイティングドックスの梶田宙・球団社長も、「藤川選手の地元球団である、この高知ファイティングドッグスで子どもたちに夢を与えながらプレーしたいという思いをいただき非常にありがたいです。”未来のスーパースターになるチャンスを持った子供達に夢に繋げて貰いたい!”という藤川選手の思いは、球団の理念とも合致し、ぜひとも高知の皆さんの前でプレーしていただき、共に高知を盛り上げていければと思います」というコメントを発表した。 同チームの監督は、阪神の1985年の日本一に貢献、その後、コーチとしても活躍していた弘田澄男氏で、投手コーチも阪神でプレー経験のある吉田豊彦氏。藤川にとっては溶け込みやすい環境もそろっている。高知では、過去に引退後、復活して日本球界復帰を目指していた故・伊良部秀輝氏が2009年にプレーした実績もあって、その伊良部氏の代理人であった団野村氏が藤川の代理人を務めている関係も手伝ったのだろう。 阪神を含む日米の複数球団からのオファーを蹴って、生まれ故郷での月給10数万の独立リーグのチームを選んだ勇気ある決断は、ある意味、20億のオファーを蹴って広島へ入団した黒田博樹に負けない男気である。阪神のチーム内外では、ベテランの藤川を獲得することについて、チームの将来ビジョンに反するのではないかと賛否両論が渦巻いていたが、藤川は、自身の男気決断で、そういう論争に終止符を打った。