チョコレート米ハーシー主要株主、モンデリーズの買収提案を拒否
(ブルームバーグ): 米製菓大手モンデリーズ・インターナショナルによるチョコレートメーカー米ハーシーの予備的な買収提案を巡り、同社の主要株主が提案を拒否したことが事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。売上高が計約500億ドル(約7兆6200億円)に上る食品大手誕生に向けた動きは立ち消えになる可能性がある。
同社の議決権の約80%を保有するハーシー・トラストが提示額が低過ぎるとして拒否した。関係者が非公開の情報として匿名を条件に語った。ハーシー・トラストはハーシーのクラスB株ほぼ全てを保有しており、同社を巡るいかなる取引もハーシー・トラストの支持が必要になる。
ブルームバーグ・ニュースは今週、事情に詳しい複数の関係者の話としてモンデリーズがハーシーに予備的な打診を行ったと報じていた。
ハーシー・トラストは過去にも議決権を行使してディールを阻止した経緯がある。2016年にはハーシー買収について協議していたモンデリーズが230億ドルの提案を拒否され、協議を打ち切った。
ハーシーの広報担当者はコメントを控えた。モンデリーズとハーシー・トラストの担当者とはすぐには連絡が取れなかった。
今回の買収提案は、カカオ価格高騰と消費者の節約志向に直面するハーシーの課題を浮き彫りにした形だ。
加工食品業界は販売減や成長鈍化、世界的な消費軟化に苦しんでいる。消費者が値上げに抵抗し健康志向を強める中で、企業側は販売強化のためイノベーションや新市場に注目しており、こうした動きが業界再編につながる可能性がある。
原題:Hershey’s Main Owner Said to Snub Mondelez Offer as Too Low (1)(抜粋)
--取材協力:Deena Shanker、Ruth David、Vinicy Chan.
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Crystal Tse, Dinesh Nair, Michelle F Davis