駅の改札で「Suicaを紛失して帰れないので500円貸して」と声をかけられました。同情してお金を貸しましたが、友人に「詐欺だよ」と注意されました。こんなに“少額”の詐欺もあるのでしょうか…?
駅で突然、「Suicaを紛失して帰宅できず困っているので、500円貸してほしい」と声をかけられたらどうしますか? 優しい人なら「助けてあげたい」と思うでしょう。少額ならなおさら、「これくらいなら」と貸してしまうかもしれません。 しかし、実はこのような少額を狙った「寸借詐欺」と呼ばれる手口が存在するのです。本記事では、寸借詐欺の具体的な手口と、被害に遭わないための対策について解説します。 ▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?
寸借詐欺とは?
寸借詐欺とは、お金を一時的に借りるふりをして、そのまま返さずにだまし取る詐欺の手口です。数百円単位といった少額で行われることが多く、相手が警戒しにくいという特徴があります。 加害者はあたかも困った状況にあるように見せかけて、相手の親切心を利用してお金をだまし取ります。例えば、「財布をなくした」「スリにあってしまった」などと嘘をつきます。その上で「帰宅するための交通費として500円貸してほしい」とお金を要求するのです。 被害者は、お金が返ってこなかったとしても金額が小さいためにあまり深刻に考えず、詐欺だと気づかないこともよくあるようです。 またこうした寸借詐欺は、駅の改札や観光地など人が多く集まる場所で発生しやすいといわれています。
なぜ少額の詐欺をするの?
「たった500円のためにわざわざ詐欺をするなんて」と感じる人も多いでしょう。寸借詐欺が行われる理由は、その手軽さとリスクの低さにあります。 詐欺をする人にとっては、少額だからこそ相手の警戒心が薄れやすく、簡単にお金をだまし取れるといえるでしょう。例えば、500円や1000円といった少額だと「困っているならこれくらいなら助けてもいいかも」と思わせることができ、詐欺だと疑う人が少ないのです。 さらに多額の現金をだまし取るわけではないため、被害に遭った人も「たかが500円だから」とあまり深刻に捉えません。警察に通報されにくい傾向にあるため、詐欺をする人にとってはリスクが小さい犯罪だといえます。 また寸借詐欺は、少額を複数回、いろいろな人からだまし取ることで利益を得る「量産型」の詐欺です。これを繰り返すことで、結果的にまとまったお金を手に入れることができるのです。 このように、少額の詐欺は手軽に実行できリスクも低いと考えられることから、詐欺の手口の一つとなっています。