「いや、何か違う・・・」生後6カ月で感じた異変。そのうち、何度もてんかん発作を繰り返すように【ウエスト症候群体験談】
まきさんには、小学5年生の長女と、年長さんのじょーくんの2人の子どもがいます。じょーくんは、生後6カ月ごろから気になる動作を繰り返し、7カ月のときに、主に乳児期に発症して、てんかん発作を繰り返す難病の「ウエスト症候群(※)」と診断されました。まきさんは現在YouTube「じょーくんちゃんねる」でウエスト症候群について情報発信をしています。まきさんがじょーくんの病気に気づいたきっかけや治療の内容について聞きました。 全2回インタビューの前編です。 【画像】年長になって目覚ましく成長しているじょーくん ※ウエスト症候群とは、小児のてんかんの1種で「点頭てんかん」とも言われる。3000人~4000人に1人の割合で見られ、生後3~11カ月ごろまでに発症しやすい。親族にてんかんの人がいなくても発症する。「頭がよくカクンとなる」「何度もバンザイをする」「頻繁にびっくりする」など、最初はてんかん発作だとは気づかないことも。しかし早期治療が大切な病気で、治療開始時期が病気の経過に影響する。
妊娠経過は順調で、元気な男の子が誕生
まきさん夫婦は、中学の同級生です。24歳で結婚し、2018年8月まきさんが29歳のときに第2子じょーくんが誕生しました。 「妊婦健診で気になることは何も言われず、妊娠経過は順調でした。予定日より2日遅れて生まれたのですが、その日は午後から妊婦健診でした。医師に『子宮口が開いてきているから、陣痛がくるといいね』と言われて、帰宅すると弱い陣痛が。夕方、陣痛が10分間隔になり、産院に電話をすると『2人目だから早めに来てください』と言われて、パパと産院に行きました。 2時間半ほどで、出生体重2694gの元気な男の子が誕生しました」(まきさん)
生後6カ月のころ、車で移動中、力が入り数秒体がかたまった息子
じょーくんは、すくすくと元気に成長します。あやせば笑うし、目も合うし、生後4カ月ごろには首もすわり、乳児健診でも気になることは何も言われませんでした。しかし6カ月のときに異変が。 「じょーくんをチャイルドシートにのせて2人で車で移動していました。信号待ちのときだったか、ふとじょーくんを見ると体に力が入ったように数秒間体がかたまったんです。『うんちをしたのかな? 』と思って、駐車場に車をとめておむつを見たのですが、うんちもしていないし、もう体に力が入っているような様子もありません。『あれ? 』と思ったのですが、一瞬のことだったのでそんなに気にしませんでした」(まきさん) じょーくんがこのとき数秒、体がかたまったのは実はてんかん発作でした。ただこのときは、まきさんはてんかん発作だとは思いませんでした。 「その後、同じように一瞬、体がかたまることが1日1~2回起きるようになりました。体がかたまるときピクッと両手を上げるので、『モロー反射』のようにも見えます。でもモロー反射とは何か違う…と思いました。両手を上げる動作のときに、黒目も一緒に上がるんです。 私の姉は保育士をしているのですが、姉と一緒にいるときにも、じょーくんが一瞬かたまったので、姉に見てもらうと『何かおかしいね。病院に行ったほうがいいよ』と言われました。いろいろな子を見ている保育士である姉が言うのだから、やっぱり何か違うんだと思いました」(まきさん) まきさんは、すぐにかかりつけの小児科を受診します。 「じょーくんはかたまるような動きは、何回か繰り返していたので、その様子を動画で撮っていました。 かかりつけの小児科を受診して、その動画を見せたところ、1週間後に脳波の検査をするから予約を取ってくださいと言われました」(まきさん)