交通事故で両脚を切断も「恨みはない」と言いきるモデル・葦原みゅう「今が楽しいから過去を後悔する暇がないんです」
感触は、包帯がぐるぐる巻きになっていて、さらに上からビニールを巻かれたような感じ。ビニール素材なんだけど、ふかふかしてる…みたいな。「上は病院着を着ているのに、なんで下はそんな感じなんだろう、脚が悪いのかな」とはそこで気づきました。 そもそも事故から2か月くらいたっていたので、早く退院したいのに、なぜリハビリが始まらないのか不思議に思っていたんです。でも自分の姿を鏡で確認できるわけじゃないので、何かが起こっているかもわからない。「リハビリが始まらないってことは、何かが起こってはいるはずだ」とは思っていたので、「もしかしたら脚を切断しているのかな」と気づきました。
ただ、そのときは包帯がぐるぐる巻きの状態だったから、どれくらい脚の長さが残っているかもわからなくて。それで主治医の先生が回診に来てくださったタイミングで「脚を切断したんですか?」と自分から聞きました。ただ、先生としては、親と一緒に私に伝える日を考えてくれていたみたいで。後日、親が面会に来たタイミングで「脚を切断した」と説明を受けました。
■脚がないとわかって「モヤモヤから解放された」 ── そうだったんですね…。そのときはどんなお気持ちでしたか?
みゅうさん:私からしたら、リハビリが始まらない理由がわかって、むしろすっきりしたというか、開放感のほうが大きかったです。自分ではよく覚えていないんですけど、説明を受けたあとの第一声は「退院はいつごろですか?」だったそうです。親は、それでめちゃくちゃびっくりしたみたいで(笑)。 「脚を切断したことをどう受け入れたんですか?」とよく聞かれるんですが、受け入れたも何も、主治医の先生に説明されてすぐ退院に気持ちを切り替えた感じです。これからどれくらいリハビリに時間がかかるのかわかったぶん、むしろうれしかった。目安がまったくない状態のほうがモヤモヤしていたので。現状がわからないと目標を立てられないじゃないですか。なので、そのときはすっきりした気持ちが大きかったです。