味方を増やす5つの言い方|ありがとうに「いつも」をつけるだけ
ちょっとした言葉選びの工夫で、人間関係がスムーズになり、お互いが気持ちよく仕事が進められる──。 そんな言葉のコミュニケーション術を著書で問いているのが、コピーライターとして活躍する川上徹也さん。『使えば使うほど好かれる言葉』(王様文庫)より、いつもの言葉に「特別感」を出す簡単な方法を紹介します。
ありがとうに「いつも」をつけるだけでグッと好感度が上がる
本書で紹介されているのは、特別で難しい言葉選びの方法ではありません。出てくるのは、私たちが日常的に使うありきたりな言葉ばかり。 たとえば、「ありがとう」に「いつも」をつける方法。こうするだけで、相手の受け止め方はガラリと変わります。 なぜなら、「いつも」をつけるだけで、今回だけでなく「これまでもずっとありがとうと思っていた」という意味が付加されるからです。 (『使えば使うほど好かれる言葉』64ページ) 「ありきたりな言葉かもしれないけれど、私はここに出ている言葉を、最近あまり使っていなかった。これからは意識して使っていこう」という気づきがあったら最高です、と川上さん。 本書を読んでいると、ちょっとした言い換えや発想の転換で、こんなにもニュアンスが変わるんだなあと納得します。 では実際に、人間関係をスムーズにする言葉の使い方を紹介していきましょう。
言葉が持つ力で、人間関係をスムーズに変える
本書では、いつもの言葉に特別感を出す方法や、飾らないけど心にちゃんと響くほめ言葉、言いにくいことをやわらかく伝える方法などが多く紹介されています。 「勉強になりました」 相手から何かを教えてもらったときに、つい出てしまうのが「参考になりました」「参考にさせていただきます」という言葉。 しかし、「参考という言葉は相手に対して失礼に値する」と川上さん。「参考」という言葉は「何かの足しにする」というニュアンスを含むからだそうです。なるほど…。 その代わりに選びたいのが「勉強になりました」「学ばせていただきました」。 さらに、「さっそく教えていただいた本を読みはじめました」のように、何らかの行動に移したことを添えると、ただの社交辞令ではないことが伝わります。 「よろこんで」 「よろこんで参加させていただきます」「よろこんでお受けします」「よろこんで!」 提案やお誘いの返事はもちろん、ちょっと言いにくいお願いをしたときに「よろこんで」と返ってくると、とてもうれしくなるものです。 ありきたりですが、「そういえば最近使っていないな」という人も多いのではないでしょうか。 もちろん、すべての回答に使う必要はありません。ふさわしいシーンや相手には、「参加させていただきます」「お受けします」の前に「よろこんで」を入れるという選択肢があることを思い返してみてください。 「楽しみにしています」 ビジネスシーンではあまり使わないという人も多いかもしれませんが、「楽しみにしております」「心待ちにしております」も相手に良い印象を与える言葉。自分と会うことを楽しみにしてくれている相手には、自然と好意を持つものだからです。 会う前だけではなく、一度会ったあとにも使える言葉。また、ちょっと難しい案件のやり取りのときにも「では来週、◯◯様にお会いできますことを楽しみにしております」と添えるだけで、緊張感を和らげることができます。 「何よりです」 何かいいことがあったとき、「よかった!」と共感されると誰でもうれしい気持ちになります。でも「よかった」はカジュアルすぎて使いにくいという場合に重宝するのが「何よりです」。「何よりもうれしいです」を省略した慣用表現です。 「何よりです」という言葉は、共感や親近感とともに、丁寧語として相手に対する敬意も感じさせる言葉。立場や役職の上下に関わらずに使っていいそうです。 「◯◯さん」 先ほどご紹介した「いつもありがとう」の例もそうですが、「今までずっとありがとうと思っていた」という意味が付加されると、言われたほうは自分を肯定されたような気持ちになります。 同様に、自分を認められたような気持ちにさせるのが、その人の名前を呼ぶこと。初対面でも名前をすぐに覚えて話しかけてもらえるとうれしいものですが、いつも顔をつきあわせる仲間でも、名前を呼ぶことで距離感が縮められるのだとか。 たとえば会議中などのシーンで、以下のように言ってみるのはどうでしょう。 「◯◯さんがおっしゃっていたように」 「私も◯◯さんの意見に賛成です」 「◯◯さんがおっしゃっていたように」はつけなくても意味は通じますし、「◯◯さんの意見に賛成」と言わなくても、「~~~という意見に賛成」と言っても会議は滞りなく進行します。 どれも日常的に使う言葉でありながら、肝心なシーンやタイミングで思い出せないこともあります。 これらの言葉を、自分だったらどんなときに使いたいか、イメージしてみるのも有意義ではないでしょうか。 ──2023年8月25日の記事を再編集のうえ、再掲しています。 >>Kindle unlimited、2カ月499円で読み放題を体験! Source: 三笠書房
ライフハッカー・ジャパン編集部