【セイコー クレドール】ロコモティブほか、国産初のラグスポ3モデルを着け比べてみました!
1974年、セイコーはそれまでハイエンドラインとして展開していた“特選腕時計”を、新たに“クレドール(黄金の頂きの意)”と名付けてブランド化した。 その後79年に当時の流行にあわせて、SSケース、スクリューバックとネジ込み式リューズを採用し10気圧防水を実現した、国産初のいわゆるラグジュアリースポーツモデル3種を発表している。 【画像ギャラリー:ロコモティブほか3モデルを着けてみた!】
それがKEH、KZT、KZHの3モデルだ。 型番でいうとあまりピンとこないかもしれないが、このひとつ“KEH”こそ、オーデマ ピゲのロイヤル オークなど数々の傑作を手がけたことで知られるジェラルド・ジェンタがデザインした“ロコモティブ”だ。 ロコモティブは以前より国産愛好家の間ではよく知られた存在だったが、2024年にクレドールブランド誕生50周年を記念し、チタン仕様で限定復活したことで、一気に多くの人に知られるようになった。
対してKZT、KZHはどういったモデルか。 ロコモティブとコンセプトを共通することから、こちらもジェンタデザインとウワサされていたが、実はそういった事実は確認されていない。また文字盤やブレスレットなどの造形をよく見てみると、ロコモティブに比べて明らかにコストへの配慮がうかがえることから、現在はセイコーの社内デザイナーよるものだったという説が有力だ。
筆者は幸いにもこの3本の実物を見る機会を得たが、確かにロコモティブとそれ以外の2モデルについて外装クオリティに差を感じることは否定できない。 とは言え、KZT、KZHともに、ロコモティブに引けを取らない前衛的かつ魅力なデザインに仕上がっているし、装着感という点でもいずれも薄型のため快適で甲乙つけがたい。 そして何より高騰したロコモティブに比べて相場が控え目という点は大きな魅力と言えるだろう。
文◎堀内大輔