「つーたんと出会って男性の生きづらさに気づいた」ラブラブな結婚生活から大黒柱の重圧まで、バービー夫妻の“幸せの形” #性のギモン
大黒柱の重圧を感じるようになった
人気タレントと会社員。金銭感覚のズレや、生活費の分担についてもとことん話し合う。 「2人の仕事にかける熱量や労力は変わらない。ただ『資本主義的なギャラが違うだけなんだ』って話しています。生活費も収入と同じ比率で分担しましょうって。この比率はいつか逆転するかもしれないし、芸能界は収入が不安定なので共働きはすごく安心です」 そんななか、心境に変化が生まれているという。 「最近は犬を飼い始めて、妊活をしていることもあって、家族が増えることで勝手に一家の大黒柱というプレッシャーを感じています。家族を養い続けなければならない重圧とはこういうものだったのか、と。共感はまったくしないけど、『俺が養ってやってる』『飲みも仕事なんだよ』と言ってしまう昭和の男性の生きづらさを想像できるようになった。 個性や向き不向きは関係なく、男性というだけで大黒柱を背負わされるのも、女性側の収入が多いとそのパートナーが“ヒモ”と揶揄されるのも、すごく理不尽だと思うようになりました。もう少しジェンダー関係なくなったらいいのにって」 総務省の2021年「社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもを持つ世帯の女性の家事関連時間は1週間に平均7時間28分で、男性の3.9倍以上にのぼる。 「男女の生きづらさは表裏一体で連動している。『男性がもっと家事をしましょう』という運動ももちろん大切ですが、男性を会社から解放することを優先すべきなのかもしれませんね。女性がキャリアと収入を保ちつつ、出産や子育てをするには、男性の働き方や社会制度をもっと変えていく必要がありそうです」
男性が弱音を吐く場所がない?
バービーに背中を押され、つーたんもコラムを書き始めた。幼少期から感じてきたホモソーシャルな価値観や、「男は強くあるべし」というプレッシャーに対する違和感などを打ち明ける。 「彼のもとにはSNSを通じて多くの感想が届くのですが、ほとんどが主婦の方からなんですよ。男性からの共感の声は一切なく、『うちの夫にも、つーたんの爪の垢を煎じて飲ませたい』といった声ばかり。 もしかしたら多くの男性は、“弱さを語る男性”が嫌いで、『何言っちゃってくれてんの?』というが本音なのかも。それだけ日本は、男性が弱音を吐きづらい社会なのかもしれません」 バービーはいま、「どうしたら、男性がもっと弱音を吐きやすい社会になるんだろう」と考え続けている。 11月19日の「国際男性デー」には、オンライン座談会「どうする?“男×ジェンダー”のモヤモヤ」(NHK×日テレ)にも出演。男らしさのモヤモヤや性的同意について考える。 「つーたんの育児休暇取得についても結婚前からずっと話し合っています。彼の会社では男性育休の前例がなかったんです。議論しているあいだに社会も徐々に動いて、それも変わりつつあるようですが。あとは経験上、上の人の行動が変われば、下の人も案外ガラッと変わる実感があります。弱さを見せてはいけないと言われてきた世代の男性が、勇気をもって弱さを出すことで、男性も女性も、もっと生きやすい社会になるのかもしれません」