「つーたんと出会って男性の生きづらさに気づいた」ラブラブな結婚生活から大黒柱の重圧まで、バービー夫妻の“幸せの形” #性のギモン
“男性同士のノリ”に怒りが爆発
“ホモソーシャルなノリ”への既視感は大学時代にさかのぼる。所属していた運動部でバービーは唯一の女子部員だった。「オタサーの姫とは正反対の立場でしたね。生意気で美人でもない私は、何を言ってもいい奴だと思われたのか、ひどい扱いでした」 “女性”として意識されなかったからこそ、“男の本音”を目の当たりにした。 「女性を傷つけたことを武勇伝のように語ったり、女性をモノのように品定めして順位をつけたり。当時の私はこうした、男性同士の“ホモソーシャルなノリ”を『面白いと思わなきゃいけない』と思い込んでいた。男心が分かる自分に優越感すら抱き、女の子のナンパを手伝ったこともあります」 お笑いの世界に入っても、周りは男性ばかりだった。 「最初は裏方志望でお笑いの世界を何も知らずに入ったから、芸人のノリと “ホモソーシャルなノリ”を混同して、どっぷり浸かっていました。『そこにいられる私すごい』とか思っていて。でも20代後半になってある日突然、怒りが爆発した。そこからジェンダーの勉強を始めました」
「妊活も平等に」「2日間のプチ家出」役割に縛られない夫婦関係
バービー夫妻は、自分たちらしい「幸せの形」を、模索し続けている。 「つーたんのためだけに料理はしないと最初に宣言しました。食べたい人が食べたいものを作り、タイミングが合えば一緒に食べる“ルームシェアスタイル”です。無意識に相手にプレッシャーをかけてしまうから、家事分担をガチガチに決めたくなくて。お互いの苦手分野を補いながら、結構うまくやっています」 けんか、もといディベートが白熱して“プチ家出”をすることもあるが、冷却期間をへて話し合うと、最後にはハグをしているという。 「この前は2泊しました(笑)。仕事で疲れ果てて帰宅した私に、つーたんが『ジムに行こうね』と言ったんです。私は仕事も、妊活のための体質改善も頑張っているのに、『なぜ追い打ちをかけるの』とブチ切れて家出しちゃった。彼としては一緒にジムに行こうと誘ったつもりらしいのですが……」 「仕事をしている女性がキャリアを継続しながら結婚、出産をするのはとても大変なこと」「妊活、育児も平等に、当事者であってほしい」などと詰め寄ったこともある。 「妊活のストレスや、体調不良などが重なったとき、きつく当たってしまうこともありました。でもつーたんは『そういう視点がなかった、ごめんね』って、必ず改善策を提示してくれる。そうやって会話していって、決めたことは必ず実行するので、すごいなって尊敬しています。 いまでは生理周期のスケジュールなどは彼が管理しています。妊娠は女性しかできないけど、妊活は2人の目標。2人でやれることはやろうねと話しています。でも固執はしていなくて。2人でいても楽しいから、サクッとやめるかもしれません」