オット・タナクが復調の2位表彰台「土曜のパンクがなければ勝利を掴めた」/2024WRC第5戦ポルトガル後コメント
5月12日(日)、WRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』の競技最終日となるデイ4が行われ、デイ3で首位に立ったTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がリードを守って総合優勝を飾った。また今回はマニュファクチャラー外での参戦となった日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、デイ3でのデイリタイアが響き、首位と1時間10分33秒8差のクラス7番手で大会を終えている。 【写真】総合優勝のセバスチャン・オジエを讃えるオット・タナク/2024WRC第5戦ポルトガル また、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では、オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が首位となり、7ポイントを獲得した。そんな大会最終日を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。 ■Mスポーツ・フォードWRT ●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/総合4位 「序盤で3番目に出走するのはそう簡単なことではなかったから、僕たちはこの成績を喜んでいいと思う。そのことを考えると、僕たちは本当に良いペースを見せてきたと思うし、日曜日はトップ集団に近づいて、優勝争いをしている彼らと戦ってきた」 「最高のラリーだったし、ファンのみんなが観てくれて、とても良い雰囲気だった。素晴らしかったよ。マシンは完璧で何の問題もなかったし、自分たちのパフォーマンスには満足している。サルディニアでの次のラリーに向けて自信がついたよ」 ●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/最終日リタイア 「ラリー・ポルトガルは僕たちにとって良い結果にはならなかった。インカットで足を取られて水路の溝にはまってしまい、残念ながら再走することができなかった。ただそれでも、全体としてはこのラリーで多くのことを学ぶことができたと思う」 「土曜日は出走順が最初だったので、だいぶ掃除役をやらねばならず、簡単ではなかった。でも、それもまた僕たちにとって良い勉強になった。また、週末を通して2回目の走行ではタイムを改善することができた。僕たちにとっては基本的に新しいラリーだったので、これは良い練習になったと感じたし、マシンのフィーリングも素晴らしかった。数週間後のサルディニアで、この経験を活かすつもりだ」 ■ヒョンデ・シェル・モービスWRT ●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合3位 「金曜日はポジティブな一日を過ごしたが、スーパーサンデーもまた素晴らしいものになった。今回はとても手強い、難しい週末だったが、僕たちが必要としている結果で終えることができたし、パワーステージでさらに5ポイント獲得できた」 「チャンピオンシップのリードを24ポイントに広げることができたので、僕たちを待ち受けるサルディニアでの厳しい週末を前に、強力なリードができたと思う。これからもプッシュを続け、一貫性のある走行をしたい。土曜日はいいかたちではなかったが、金曜日と日曜日は本当に順調だったし、パワーステージのペースも良かったので望みが持てた。僕たちはまた戻ってきて、サルディニアで重要なポイントを狙って戦うつもりだ」 ●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合2位 「結果はそれほど悪くなかった。スローパンクチャーが起きたときはとても残念だったけど、それ以外はとてもポジティブだったと考えている。それでも、土曜日のパンクがなければ勝利を掴みに行けたと思う。僕たちは金曜日に一番苦戦したが、徐々にマシンに慣れてきて、良いリズムを見つけることができた」 「土曜日はステージのコンディションが大きく異なっていた。マシンを最大限に活用するためには、金曜日とは違うことをする必要があることがすぐに理解できた。自信を持ってマシンをコントロールできる状態まではそう遠くないけれど、自分のドライビングスタイルに合うマシンにするのはまだ少し難しい。それでも、サルディニアを楽しみにしているよ。いつも楽しんでいるラリーだし、自分のパフォーマンスをさらに一歩先に進めたいと願っている」 ●ダニエル・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合5位 「今日は午前中のコンディションが少し厳しかったが、最初の二日間は本当に有望だった。もちろん、多くのポイントを獲得して今日の終わりを迎えることができてうれしい。それに、チームに戻った最初の週末に、彼らがマニュファクチャラーズ選手権のトップに戻る手助けをなんとかできたと思う」 「手始めのグラベルラリーとして素晴らしかった。よく知るラリーだったし、サルディニアの前に参戦するのに良いラリーだった。次のイベントで、このマシンで何ができるのか楽しみにしている。そして週末をトップ5で終えるのを助けてくれたチームに改めて感謝したい」 ■TOYOTA GAZOO Racing WRT ●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合6位 「最終日の朝は、昨日より少し調子が良かったと思うが、三本目のステージでクルマの下部に岩が当たりラジエーターを破損してしまった。その後は、EVモードで走行を続けなくてはならず、なんとか修理してフィニッシュすることができたが、残念ながら今日のポイント加算は叶わなかった」 「クルマのフィーリングは間違いなく良くなったが、まだいくつか改善すべき課題が残っている。それでも、この週末で答えをいくつか見つけることができたから、次のサルディニアでは巻き返して、より力強く戦えるように頑張りたい」 ●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合31位 「土曜日は残念な一日になってしまったが、クルマを修理してくれたチームには心から感謝しているし、重要なポイントを取り逃してしまったことを申し訳なく思う。今日はラリーに復帰できて良かったが、出走順が早く、路面をクリーニングしながら走るのは予想以上に大変なことだった」 「最終パワーステージでは本当にベストを尽くしたし、いい走りができたと思う。それでも路面のクリーニングの影響により、自分よりも後に走ったドライバーたちはより速いタイムを出していたね。とはいえ、数ポイントを獲得できたのでチームの助けにはなれたのではないかと思うよ。望んでいたような週末にはならなかったが、より強くなって戻って来るつもりだ」 ●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合優勝 「このラリーでまた優勝することができて素晴らしい気分だ。記録を更新できたことも嬉しいし、この瞬間を楽しみ、大切にしたい。すでに数年前にマルク・アレンの5勝という優勝記録には並んでいたが、もちろんそのことに満足していなかったわけではないんだ」 「なぜなら彼は自分にとってレジェンドだし、とても尊敬していたからだ。それでも、いつ記録を更新するのかと何度も聞かれ続けてきた。そして、ついに実現できた」 「今回もみんなにとって激しい戦いになり、クルマのなかでリラックスできる瞬間はなかった。100パーセントのフィーリングが得られない時は、最大限のリスクを冒すことなく走ったが、それでもつねに優勝争いに加わることができた。自分たちのマネージメントは、パーフェクトに近かったね」 ●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合29位 「もっといい結果を得ることができたはずなので、昨日のリタイアは、もちろんとても悔しいです。それでも今回クルマのフィーリングは、昨日のあの瞬間までは非常に良好でした。今日は何本かのステージでハイブリッドが使えず、出走順も良くなかったので簡単ではありませんでしたが、そのような状況でも数ポイント獲得できたのは良かったです」 「今回は毎ステージ、全力でプッシュし続けた結果、多くのことを学ぶことができました。ポジティブな収穫もあったので、今はもう次のサルディニアに集中していますし、しっかりと準備をしてプッシュし続けます」 [オートスポーツweb 2024年05月13日]